あらすじ
アマビエだけじゃない。日本には古来から悪疫を封じるパワーがあるとされてきた護符があるじゃないか!
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大以降、SNSでの盛り上がりを皮切りに日本を席捲したもののひとつに、江戸時代、瓦版により流布された妖怪アマビエがある。
しかしこれにかぎらず、日本には世に疫病を封じるために用いられてきた パワーアイテム=護符がある。
本書は日本を過去襲った疫病の歴史をひも解きつつ、そうした悪疫から逃れるために先人が生み出し、心を寄せてきた神仏や妖怪、それに縁があり、実際にパワーのある護符のベスト10を宗教学者・島田裕巳が厳選し、いまも身近に在るそれらの意味と込められた祈りにあらためて触れることで、日本と日本人を再考する。
厄災除けとして信じられてきた対象の名前、由来、役割を定型で説明 それにまつわる背景ほか周辺情報を紹介。
元三大師(角大師、豆大師、降魔大師)
牛頭天王
蘇民将来
天刑星
鍾馗
虎狼狸
アマビエ
件
摩多羅神
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
表紙の角大師がかわいい…。
他に取り上げられているアマビエも
件も、なんかユーモラスなんだよね。
威厳とか怖さを押し出しているのは
牛頭天王や天刑星、鍾馗さん。
あとは蘇民将来に虎狼狸、魔多羅神
源為朝…は人間が護符になってるんだ!
為朝が守っている土地だから
疫病が来ないという信仰なわけか。
Posted by ブクログ
借りたもの。
COVID-19の疫病退散に因み認知度が上がったアマビエ然り。それに端を発して、疫病退散の護符について何が描かれているかまとめたもの。
内容的にはさわりだけ。
護符に描かれた神仏について、何が描かれているかその逸話を掲載。それらには都市伝説?的な民間信仰?妖怪?が描かれたものについても言及している。
悪いものを家の中に入れない比叡山の角大師、異神・牛頭天王と来訪神の系譜だろうか?蘇民将来、真言の九字切り、鍾馗様、予言に纏わるアマビエ(アマビコ)と件など……さらには神格化された源為朝まで。
印象としては、国津神よりも渡来神、大陸からの信仰の対象が多い。
著者は疫病など天災を予言するものが動物のような形をとること、ヨーロッパでは予言の“生き物”がいないことに疑問?興味?を持っていたが、それについて解明はされていない。
取り上げられているものだけ見ても、件や牛頭天王は「牛」をイメージするものが多いけれど……
あとがきには、2020年のコロナ禍とアマビエの話について言及…せざるを得ない。
ウィルスに起因するもの然り、その存在を知らない昔の人、知っていても未知のウィルスであるため右往左往する現代人……大差ない。
その不安を解消しようと、また、ご利益にあやかりたいと願う人々の行動を映し出す鏡のような護符の存在は興味深い。