あらすじ
南国の大都会・シンガポールで、日夜繰り広げられる、男と女の危険なゲーム。じっとりと湿気を含んだ、けだるい大気にからめとられるようにして、過ぎていく退廃の日々のなかで、禁断の店「カフェ・オリエンタル」へ安樹子(あきこ)を向かわせたものは、何だったのか? そして、そこで安樹子は、ゲームの結末を見たのだろうか?
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Posted by ブクログ
最初に読んだのは20年位前。その頃氏のエッセイを含め殆どの作品を読んでいた。その中で時々読み返したいと思う本は1〜2冊しかない。なぜなら、小説でもエッセイでも同じネタを繰り返し使い回している事がすぐにわかり興ざめしてしまったからだ。特にエッセイなどはかなりの本数をあちらこちらで執筆していたためか、完全に”数の勝負”となっていたように思う。
この本はところどころにその”使い回し”のかけらが見られるがそれでも全体に雰囲気があり、何となく手元に置いて時々読み返している。主人公のどこか投げやりながらあきらめきれない部分、潔くもあり、そうなりきれないところなどが好きなのかもしれない。