あらすじ
のろのろ走るロシアの車両に始まり、切符購入も死に物狂いの中国、中央アジアの炎熱列車、紛争地コーカサスでは爆弾テロで停車しUターン。フランスではストライキに巻き込まれ……。シベリアからポルトガルまでのボロボロ鉄道紀行。
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Posted by ブクログ
昔々の話かと思ったら2010年執筆と意外と最近の旅行記。ソビエト時代の色がまだまだ濃い地方の電車旅に始まり、中国の国家権力のアクが強い鉄道旅、そしてまた中央アジアのオスマン帝国時代からの軋轢を引きずる歴史旅、そして近代国家を目指さんとする西洋に近づいていく旅。
途中一旦帰国して再出発したら、乗るはずだった運行便が無くなってたり国境越えでおじさんがオシッコに困る話があったり、極め付けは最後にまだもうちょい鉄道旅できたなぁ〜みたいな悔しさがなんとも苦い。
どこか筆者の書き付け感漂よう本。劣悪な宿泊環境に耐えたり、粗食続きの旅に耐えたり、横柄な言葉もわからない駅員や車掌とのやりとりに耐えたり、ものすごいポテンシャルがあるけど、本にまとめるにあたりこれが一番書きたかったんや!ってところは薄い。
ただただ、最悪と称するも本人はまだやりきれそうなタフさが残る旅行時の備忘録。
日本には馴染みの薄い中央アジアの軋轢や、ロシアとウクライナの確執なんかすごいわかりやすかった。歴史の勉強になるわぁ。今もその確執が繋がってややこしい国家間の緊張を生んでるってことがよくわかる。
Posted by ブクログ
旅紀行はあまり読んだことがないけれど、面白かった。中国ロシアが長すぎて中だるみしそうになりつつ読みやすかったのでなんとか読み終えれた。
時間をかけて列車旅をしてルポが売れるなんて羨ましいと思う気持ちもあるが、出入国のたびに通らない不安や捕まる懸念、ビザとの戦い、爆破テロ地域の通過など正直命懸けの仕事でもあるところにやはり尊敬する。