あらすじ
認知症に脳トレは効きません。
いまのところ、認知症が治る薬もありません。
でも、「認知症になる=絶望」ではありません。
認知症1000万人時代を迎えようとするいま、
認知症とともに、「よりよく生きる」備えをするための一冊。
認知症という言葉が当たり前の時代になっても、
意外なほど、認知症に対する誤解は数多い。
たとえば、「認知症に効く」と言われる食品、サプリ、健康法・・・、
これらのものは、実際に効くというデータはまったくないのに、なぜか「善意」の名のもとに大手をふって流通している。
一方で、認知症になった人々は、「世間のお荷物」「なにもわからない人」「なにもできない人」・・・・
そうした負のレッテルが、本人と家族を追いつめる。
でも、認知症になったからといって、「なにもわからなくなるわけではない」
「なにもできなくなるわけではない」。
備えがあれば、認知症とともに生きていく方法はある。
かつて、日本初の認知症専門の訪問診療を行い、現在では外来を通じ、
日々認知症の人々と向き合う医師。
彼だからこそわかってきた真実をもとに、
本人も周囲も納得できる生き方を考える。
上野千鶴子氏推薦!
「認知症になっても人生は終わりじゃない
認知症になっても私は私…
認知症に対する恐怖心がなくなった!
こんな先生に看てもらいたい」
【目次】
第1章 認知症予防の真実
(1)認知症の人々はたくさんいるの?
(2)「○○すれば認知症にならない」は本当ではない
(3)国が「認知症予防を」と言っています
(4)予防がダメならどうする?
第2章 認知症“診断”の真実
(1)なぜ認知症診断は難しいのか
(2)自分が自分でなくなる不安
(3)なぜ、なんども同じことを言うのか
(4)認知症になれば「本人は幸せ」か
第3章 認知症という“症状”の真実
(1)なぜ認知症の人が「さっきも言ったでしょ」と言われると怒るのか
(2)暴言は認知症の「症状」ではない
第4章 認知症の“治療”の真実
(1)薬の真実
(2)早期発見の大切さ
(3)暴れることの真実
(4)せん妄とは
第5章「認知症と生きる」真実
(1)認知症を悪化させないためにはどうすればいいのか?
(2)大事なのは本人とのコミュニケーション
(3)自立・自律して生きられる?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
■「記憶しづらい」ことと「忘れる」ことは違う。
・「もの忘れ」という言葉を捨てた方がいい
■認知機能が障害を受けても感情が障害されてもその中には最も大切なスピリチュアリティがある。認知症が進んでもそのコアにあるスピリチュアリティは息づいている。
・スピリチュアリティとは「たのしい」「うれしい」「うつくしい」「ワクワクする」「力がみなぎる」「なんか頑張れる」といった対象に自然に生じる内発的な思い
Posted by ブクログ
認知症を予防する方法は無い。
「もの忘れ」ではなく、「記憶のしづらさ」。
「人に迷惑を掛けずに暮らすのは無理」。
いちいち納得。
「認知症とともに生きる」ことが大切と腹落ちした。人としても、社会のあり方としても。
Posted by ブクログ
介護者の認知症の人に対する「関わり方」ではなくて、双方の「関わり合い」
「関わり合い」の中に人の本質がある。
人は人として生まれ、人として死ぬ。
「忘れる」と「記憶しづらい」は違う。
なかなかおもしろかったし、そうなのかあ、と思うことも多かった。
どんなことにも理由、事情はあるんだよねー
わかっているようで、実際の現場ではなかなか・・・
特に家族にとっては・・・
もう少し実例をたくさんあげてほしかったかも。
Posted by ブクログ
そもそも認知症の方が「物忘れが多くなる」のではなく、「記憶しづらくなる」ということを知って、何て見当違いな会話をしていたのだろうと気付かされた。お互いに混乱しつい不穏な空気になってしまうパターンも度々。おそらくほとんどの人が認識してないことだと思うので、それだけでも対応が変わってくると思う。
また、認知症の方にとって優しい仕組みは、誰にとっても優しい仕組みという視点に希望を感じた。
認知症になってもその人らしく生きていける社会になるよう今の私にできることは何かな…