あらすじ
目標を「見える化」できれば日本人は強い。
アフター・コロナ時代にどう生き残るか?
企業も個人も「プランB」の未来に備えなければならない。
そのカギは、目標や憧れを「見える化」できるかどうかにある――。
業績悪化、収入減、倒産、失業……。「コロナ不況」で不安だらけの今こそ、この状況を反転するためには、発想の転換が必要なのだと著者・大前氏は強調する。
〈つまり、将来が不安だからこそ、諦観するのではなく「稼ぐ力」を身につけるべきなのだ。昇進・昇給が望めないなら、高収入を得るためにスキルを磨いたり、AI(人工知能)やロボットに代替されない能力を身につけたりして、ステップアップを目指す――そうすることで、自分の未来を明るく変えていくべきだと思うのだ。〉(新書版まえがきより)
テレワークや在宅勤務が拡大・長期化する中で、これまでとは異なる仕事力が求められている。ポイントは、「場所」と「時間」に縛られずに集中するための工夫や、「集団知」を導くリーダーシップ、そして目標・成果を「見える化」する仕組みなどにある。
ビジネスパーソンに必要とされる能力や条件を解説した話題書『個人が企業を強くする』の内容をアップデートしつつ新書化。新型コロナウイルス禍によって一変した国内外の情勢を踏まえ、世界的経営コンサルタントが指南する新しい働き方の教科書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何事にもフレームワークがあるように、
0から1を作ることにもフレームがあることを学んだ。
戦略的自由度、アイドルの活用方法、あるものとあるものをくっつける、限界利益の考えかた、一言で言うと、
などいろいろ。
人の立場になって考えることによってニューロン10%をもっと使うなど。
実践あるのみですね。
Posted by ブクログ
「テレワーク時代」のみならず、今後社会情勢が変わっていく中での「働き方」に関する書籍です。
「おかしいと思っていても口に出して言わない」、「こうするべきだと思うが、自分には関係ない」、このような意識が組織を誤った方向に進める要因になるとありました。
現在では、コロナ禍の影響で物事がうまく進まない事象というのは、平時より多く生じると思います。そのため、現在のように厳しい状況の時こそ、意見をぶつけ合い、当事者として対応していく意識と環境づくりが必要だと改めて感じました。自分も最近では、「自分に関係ないからいいや」と思ってしまうことがあったので、改めて考えなおすきっかけとなりました。それが自分の成長へとも繋がっていきますね。
【印象に残った言葉】
・日本人にとって、強く憧れる具体像が「見える化」されていることが大事。そのため、若い人には「憧れ」を持たせる教育が必要になる。高度経済成長期の日本の発展は、アメリカに「追いつき追い越せ」という憧れが原動力となった。
・起業家たちの共通項として、プログラミングという「見える化」していく分野で子供の頃から頭角を現していた。
・日本が成長していくことはない現実の中で、「人並み」ことをしていたら国と一緒に沈んでいく。個人でスキルを磨き、社外ネットワークを作り、個人の「高成長」を目指す。
・シャープを買収した鴻海精密工業の副総裁でシャープの社長となった戴氏は、当初3つの方針を打ち出した。このようにネットワーク時代においては、トップと同じ情報・同じ認識を瞬時に共有できるようになる。
①ビジネスプロセスを抜本的に見直す
②コスト意識を大幅に高める
③信賞必罰の人事を徹底する
・「集団知」が必ず優れており、集団知が重層化するほどその組織は強くなる。反対に「間違っていると思っても、口に出して言えない」、「こうするべきだが、私には関係ない」といた雰囲気がはびこると、組織は澱んで間違った方向に動く。その一例が東芝の不正会計問題などである。
・頭が無駄なものに対して鈍感になってしまい脳の退化につながる「脳の盲腸化」を避ける。そのためには、以下の意識づけが必要となる。
①「脳の筋トレ」=知的チェレンジ
常に緊張して仕事をしなければならない環境、会社に貢献しなければならない環境に自分を追い込む。
②相手の立場になって考える
他の部署の問題を「自分には関係ない」というのではなく、自分の身に引き寄せて客観的に考え、的確な答えを出す。この「余計なお世話」を繰り返すことで脳が活性化し、経営についてより深く理解して問題解決策を導き出せるようになる。
・優れたリーダーの条件
①語学力
日本語以外で日本語と全く同じようにコミュニケーションが取れて、遜色なく仕事をこなすことができるネイティブ並みの基幹言語を、少なくとも一つは身につける。
グローバルなビジネス現場で使える英語を身につけたいなら、外国人観光客のツアーガイドがお勧め。ビジネスの現場で真に必要なものは、英語力だけではなく「教養」が必要である。
②リーダーシップ(統率力)
協調性が重要な時代から、個人のリーダーシップが極めて重要となる。
③構想力
20世紀では、「模倣」が経済成長の源泉だったが、21世紀は答えのない時代だから、ゼロから構想して新しい方向を見出す必要がある。
・年齢のメンタルブロックせず、中高年になると新しい仕事にチャレンジしない傾向が極めて強い。この壁を壊しながら、脳の筋トレを繰り返していけば、どれほど困難な問題に相対しても、また何歳になろうとも、的確な解決策を導きだせるようになる。その結果、世界中・定年後でも通用する人材になれる。