あらすじ
菅官房長官が「スマホ料金4割値下げ」をぶちあげてから早や2年。5G対応や急増するテレワークなど通信インフラ大変革の時にあって、日本の通信料金は高止まりしたままだ。背景には、NTTドコモをはじめ大手3社による寡占市場、歪んだ料金体系と収益構造、官民の馴れ合い体質がある。誰が悪いのか。何が改革を邪魔しているのか。通信業界に長年身を置いた著者が全てを明かす。
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Posted by ブクログ
各国においても分かる様に水道、電気、携帯業界などは参入障壁の高さから寡占状態に近づくのはやむおえないと感じています。
しかし、日本の携帯業界の異質さ•構造が本書にてしっかり理解できました。
消費者としてどう捉えるべきか?という自分への課題も見つけることができます。
Posted by ブクログ
現状の寡占状態に陥った携帯業界、その原因を歴史から掘り起こし分析した良書。
菅総理大臣の「4割下げ発言」から注目され、いま携帯電話料金は下がる方向に動きつつある。著者はこの解決策を提示している。
公共性の高い固定電話から派生した規制、それを延長した形で続いている携帯電話業界。その根底にあるのは消費者利益を無視した、官民双方の忖度、天下り、馴れ合い。
書の後半に書かれてあるが、最終的にこの問題は電波をどのようにして使うかという、国策問題になる。限りある電波を如何に有効に活用するか?テレビからネットへ、固定から携帯へ、ガラケーからスマホへ移行するなかで、未だに電波行政がテレビ優先、固定回線優先の施策を取っていることが最大の問題だろう。
この電波行政を打破できる、クレイジーな政治家は現れるだろうか?
Posted by ブクログ
携帯電料金の値下げがスムーズに実現しないのは、NTTと総務省のつながりが大きい。携帯電話会社に名乗りを上げた楽天もまだまだ基地局の整備が追いつかず、市場規模ではまだまだ。現状、料金の値下げをするには格安スマホしかない。政治が絡んでいる現状では大手キャリアの料金値下げの実現は当分先のことだろう。総務省の考え方を変えるきっかけには5G通信開始のこのきっかけが最適である。今は総務省の天下りの人のために、国民が高い携帯料金を払っているようなものである。
Posted by ブクログ
スマホ料金が高止まりしていた理由や仕組みを、ここ数十年の通信業界の背景から理解していくことができました。
料金面についてよりは、業界最大手のNTTの歴史や政府との関わりなどについて触れる内容が多かったです。どのようにして現在の寡占的業界形態に繋がったのかは本著で勉強することができます。