あらすじ
超人気まんが創作の秘密を大公開!
「ドラえもん」の作者はどうやってまんがをかいているのか? 豊富で具体的な作例を交えながら、作者自身によって明かされる、創作の秘密とテクニック!! まんがに限らず、映画、小説、シナリオなど、物語作りに関わるすべての人に役立つ「奥義」が、きわめて分かりやすく説かれた著者唯一の本格的まんが入門書。『藤子・F・不二雄大全集』にも収録されている名著・『藤子・F・不二雄 まんがゼミナール』の文庫版。「ぼくのミニまんが履歴書」「藤子・F・不二雄〈略年譜〉」ほか文庫版だけの資料も収録。(解説:里中満智子)
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良い本でした。
子どもにも、おとなにも、みんなに対等な本でした。藤子・F・不二雄先生、本当に大好き。
ちゃんと、まんが技法が書いてあって、覚悟や優しい気持ちを感じました。本当に優しい人は、すごく少ない。F先生は、とても格好良いです。憧れの人です。
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藤子・F・不二雄先生の漫画指南書。
平明な文書で分かりやすく解説。ペンさばきや絵の描き方では無く、映画に例えた説明。
アイデア、キャラクター、舞台、構図、シナリオの解説から始めSFX、プロとしての心構え、話(のび太の恐竜)を基にした解説など至れり尽くせり。
ドラえもんはサラッと読み飛ばしがちだが綿密な取材やアイデアがあって作られた名作である事が実感できる。
読んでいて特に思うのは先生の慈愛に満ちた言葉。
難しい事を分かりやすく、しかも温かく教えてくれる一冊。
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尊敬する大好きな藤子・F・不二雄先生のまんが指南書。
自分の好きなことをとことん突きつめること、アウトプットばかりではすぐに枯渇するから常に好奇心をもってインプットを大切にすること…漫画の描き方だけでなく、仕事への向き合い方や生き方に通じるメッセージがいっぱい!!
藤子・F・不二雄先生のお人柄がにじみ出てくるような優しくわかりやすい語り口調で、何度も読み返したい。
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マンガの書き方だけでなく、
ものづくりすべての根幹がここにつまっていると思う。
そして簡潔でやさしいのに深い文章もすばらしい。
なんでこんな大事なことを短く書いて、
さらさらと読ませるんだろう。
本当に藤子・F・不二雄さんのマンガと同じ。
何かを生み出したいと思っている人は必読です。
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「ドラえもんが世界をすくう」そんな日が必ず来る。しかもこの百年以内に‥‥そう信じています。
後書きにて、里中満智子さんは20年前にそう書いています。グローバル社会の現代、あり得るなあと思います。
実際ついこの前、中国で発見された新種の肉食恐竜に「のび太」の名前がつけられました。「エウブロンテス・ノビタイ」という。中国の研究者がドラえもんの大ファンだったのです。この本でも詳しく扱われている「のび太の恐竜」は、F・不二雄さんが思い入れも持って、しっかり調べに調べて、「まんが技法」を駆使して描かれたようです。少なくとも、既に古代生物研究者「世界」は「変えた」わけですね。
本書は、1988年子ども向けマンガ入門書として刊行された「藤子・F・不二雄 まんがゼミナール」(てんとう虫ブックス)を再構成して刊行された文庫本です。
ドラえもんのようなマンガを描くためのホップ・ステップまでを懇切丁寧に紹介しているので、子どもたちにも有用ではあるけど、「物語」を書いてみたいと思っている大人にも有用なアドバイスが、そこかしこにあるし、「のび太の恐竜」の始まりから終わりまできちんとその狙いや隠されているスパイスまで語っているので、この作品のファンならば楽しめること請け合いです。図らずも、マンガ入門の形を形を借りた、自らが語るドラえもんの魅力話になっていました。
私は、「ドラえもん」は掲載誌はかすっていないし、放映チャンネルは契約していなかったので、この国民的アニメの洗礼は全く受けていません。どうして「ドラえもん」が、あんなに人気があるのかわかりませんでした。だって、ドラえもんのポケットなんて、なんでもアリじゃないですか!その代わり、「オバQ」と「パーマン」は、今でもスラスラっと描けるほどの私の特技になっています。大好きなマンガです。「藤子不二雄」は、マイレジェンドとは言わないまでも、私の重要な作家の1人です。
特に興味深いのは、ドラえもんのアイテムの中には、マンガ技法「そのもの」がかなり使われていたということです。まぁF・不二雄さんはアイデアつくりにかなり苦労していたので、ストーリーにそういうとっておきの技術が反映されるのは当たり前なのでしょう。驚くのは、ここで紹介されている解説を読んで初めてわかるので、読んでいる時はマンガ技法を使ったな、とは思わせない所です。
・時間を止める「タンマウォッチ」は、「俯瞰描写」の作例になっている。
・「必ず実現する予定メモ帳」はシナリオ作りの基本。
・「シナリオライター」で、目にみえるようにシナリオを実際に作って見せたりしている。
・地図を貼り替えれば引越しができる「引越し地図」は、環境設定つくりで使える。
・プロの漫画家を目指しているジャイ子は、のび太を観察してマンガを描こうとする。何度ボツになっても諦めない。「みんなもその意気を学ぼう」とF・不二雄さんは言います。
私的には、ともかくなかなか進まない時には「扉絵」を描けば、登場人物、構想、強調すべき点が整理できる、とアドバイスしているのがとっても参考になりました。小説的に言えば、「次号より連載開始を告げる作者の言葉」だろうか。創作する者にとって、一つのヒントになります。
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なかなかの名著。
F先生の優しさが滲みだす語り口。
宮崎駿にも通じる、雑学の集大成を創作に注ぎ込む姿勢。
(駿との共通点では他に、手塚への愛憎と、がちがちに決めないという手法)
「のび太と竜の騎士」を作った理由、「のび太の恐竜」の自らの分析。
かつての「漫画家入門」には、ペンの種類とか紙の種類とか机の周りとか、見ているだけでいい気分になるものが多かったように思うが、この本は網羅的かつ発展性のある内容で、Fの「すこやかであれ」というメッセージが滲む。良書。
Posted by ブクログ
マンガ作りについての話を通して、創作にかける熱意を学ぶことができる。
最終章は、「のび太の恐竜」を題材に、何のためにこういう書き方をしたのか、留意点は何かの具体的解説。起伏のあるストーリーを作るためのエッセンスが読み取れる。
マンガ家志望者はもちろん、「物語」に関わる全ての人、クリエイティブな職業の全ての人にオススメ。大変読みやすい本。
Posted by ブクログ
藤子・F・不二雄先生が優しく語りかけてくれるような本でした。マンガを中心にかなり高度な内容も子どもが読んでもわかるように、わかりやすく書かれています。
『ドラえもん』を中心に藤子・F・不二雄先生がどんなことを考えて、作品を手掛けていたのかもわかる解説書でもあります。