あらすじ
衝撃を与えた週刊文春での手記公開 。総理夫人らの関与を消すため行われた公文書改ざん。懊悩の末に死を選んだ近畿財務局職員の妻と、事件を追う記者が問いかける真相。
本書は、夫を理不尽に失った赤木雅子さんが国などを提訴、俊夫さんの手記の公開に至るまでの怒り、迷い、葛藤を率直に綴った「手記」と、事件を発覚当初から追い続けてきたジャーナリスト・相澤冬樹氏による「同時進行ドキュメント」で構成されている。
「最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ」
(赤木俊夫さんの遺書より)
森友事件の渦中で、総理夫人らの名を隠蔽するために公文書の改ざんを命じられ、懊悩の末、2018年3月、自ら命を絶った近畿財務局職員・赤木俊夫さん。享年54。
2020年3月、赤木さんが遺した痛切な手記が週刊文春で公開され、大きな反響を呼んだ。妻の赤木雅子さんは真実を明らかにするため国などを提訴。事件の再調査を求めて行った署名活動には、35万を超える賛同が集まった。
まだ、事件は終わっていない!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
亡くなられた赤木さん
正義感が強過ぎたのかも知れませんが、その時の状況がよくわかり、涙が止まりません。
坂本龍一や安藤忠雄が大好きで、ちょっと変わっていた赤木さん。人となりを知る事で身近に感じました。家庭の事情から高卒で国鉄に就職その後、国鉄解体により公務員となりますが、立命館の夜学で政治学を学んでいます。
政治家の息子で、ぬくぬくと成長し、成蹊大出のお坊ちゃんと東大出のエリートパワハラ官僚に殺されたかと思うとすごく切ない気持ちになりました。
雅子さんに心安らかな日が訪れる事を心から願っています。
Posted by ブクログ
酷い、酷い、腐った国だな、その国は。
腐った人が出世するパロディのような国になるか、裁判で明らかにされるか、ギリギリ問われている。遺族だけでない、そんな国民の為の、行動であり、その手記だと感じる。
赤木さんを忘れない
Posted by ブクログ
全てがありのままに書かれているという印象。
お二人の関係もスムーズにここまで来た訳ではなく、お互いに探り探りであったこともうかがえる。
奥様が陰でどんなに悲しみ苦しみ泣いてきたか…ということを想像した時に、ここまで強くいられるのはきっと「ご主人が見ててくれている」という思いからなのだろう…。
早く真実が公になりますように。
Posted by ブクログ
「(認可あるいは国有地払い下げに)私や妻が関係していたと
いうことになれば、まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく
総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げて
おきたい」
「まさに」の使い方がおかしんじゃないかと思うんだが、それは
さておき。
2017年2月17日、衆議院予算委員会で、首相だった安倍晋三の
答弁は財務省が犯した文書改ざんのきっかけとなった。
一連の文書改ざんを命じられた近畿財務局の職員であった
赤木俊夫さんは、恐怖と苦悩の末に2018年3月に自ら命を絶った。
「私の雇用主は国民です」と自負していた、生真面目な公務員で
あった夫は、何故、自死するまで追い詰められたのか。夫婦ふたり
の穏やかで幸せな生活を突然奪われた妻は、真実を詳らかにする
為に、国家という巨大権力に立ち向かって行く。
赤木氏の手記が掲載された「週刊文書」は、発売直後にほぼ完売。
私も入手出来なかったので、本書の巻末に全文が掲載されている
にはありがたい。
そうして、公務員にあるまじき文書改ざんを命じられた赤木氏の
苦痛はいかばかりか…と思いを馳せる。
本書は妻・雅子さんの手記と、取材者である相澤記者の共著である。
突然、夫を失った雅子さんが、夫の手記を後悔するまでに至った
経緯、その過程での心の葛藤、取材者である相澤記者との間に信頼
関係を築くまでの揺れ動きが詳細に綴られている。
もうさあ、狂ってるんじゃないかと思うのよ。この国は。強く抵抗
しながらも文書改ざんを命じられた職員が死に追い詰められ、他の
関係者は改ざん後に軒並み出世してる理不尽。
賭けマージャンで辞任した東京高検の黒川検事長(当時)の定年延長
だって、森友問題を握り潰したご褒美だったんだろう?「官邸の守護神」
なんて呼ばれてたんだからさ。
「丁寧に説明していく」「政治家には説明責任がある」。安倍晋三が
度々口にしていた言葉だが、彼は何も説明せず、なんの責任も負わず、
「内閣総理大臣」の椅子を放り出した。
次期総裁・菅義偉は「再調査はしない」と断言している。安倍政権が
残した汚物にはずべて蓋をする気だ。
だが、森友問題も、加計問題も、桜を見る会問題も、忘れていない
国民が、少なくともひとり、ここにいる。
妻・雅子さんの戦いは始まったばかりだ。国を相手取った裁判の行方を
見守って行きたい。そうして、私も真実が知りたいと、心から思う。
「雅子へ これまで本当にありがとうゴメンなさい 怖いよ 心身とも
に滅いりました」
秋木氏が残した手記の中の一文。切ない。
Posted by ブクログ
再調査を求める署名はした。あとは何ができるだろうか。ご本人が思われている以上に応援している人は多いと思う。国と戦う、それもお一人で戦うというのは大変なことだと思う。私(たち)ができることは何だろう。
Posted by ブクログ
ほぼ1日ですあっという間に読み切りました。そして思います。
『僕も真実が知りたい』
集められた様々な証言、文書、状況の全てが佐川宣寿の安倍に対する忖度改竄命令の存在を示しており、関係した財務局の全ての職員の不起訴には黒川弘務の忖度による捜査指揮への介入を示していることがよくわかります。そしてその他にも政権に擦り寄り、嘘に嘘を重ねれば重ねるほど高い地位へと上っていく財務官僚たちの、【国民のために働く」という本分を忘れた浅ましい猟官主義的振る舞いは、本書に示唆された通りで、それは現在、太田充が財務事務次官に就任していることからもよく分かります。
国民の財産である国有地の不適正な値引きは、国民の財産を毀損しているのだから、この一点だけで、国民に対する背任行為に当たるはず。そして、その証拠を隠滅するがために違法な公文書改竄をさせ、公務員としての良心を叩き壊され、心理的に追い詰められていった赤城俊夫さんの苦痛は想像を超えるものがあります。それほどまでに彼は「国民のための仕事」を大切にした公僕だったのだと思います。
この本を、少しでもたくさんの人に読んでもらいたい。そして、赤城雅子さんに寄り添い、支え、この訴訟を応援してもらいたいと思います。
Posted by ブクログ
森友問題を通し、堕落した与党(もしくは政界全体?)の実情が見えてくる
これでいて7月時点の内閣支持率40%越えとは、どうなっているんだ、この国は?
事件の内容も去ることながら、ジャーナリズム魂を熱く感じる素晴らしい一冊
Posted by ブクログ
時の政権のスキャンダルは、こうして封じこめられるのか。もし身近でこんなことがあったら、私は誰も信じないようにしよう。
黙秘したり逃げ続けたりしている官僚は、いったい何から何を守ろうとしているのか。
赤木さんの妻は、精神のバランスを崩しかけながらも、闘い続けた。孤独や恐怖に耐えた。その強さは夫への愛情と信頼に裏打ちされていたのだろう。
「再調査しません、などと言える立場ではない」という本質を突いた言葉には、喝采を送りたいと思った。
Posted by ブクログ
あの 森友で 実際に改ざんをさせられ
その苦悩に 耐えきれず
自殺してしまった 赤木さんの 奥様の
心の声が書かれていました。
読み進めいくと
本当に 腹が立ってきます。
組織を守るために 一人の人の心をまず壊して
そして その人の命までも奪う。。。。
そんな 人たちが のうのうを暮らしているって 理解できません。
この本の内容は 週刊誌などで読んでいる内容と同じですが
赤木さんの奥様の心の中が書かれていて
とても大変だったと思いました。
まだまだ 終わったわけでは ないので ご苦労は続くと思いますが
絶対に真実が表れる事を 私も願っております。
政治家の発言の為に 大切な命が失われてしまった。
そして その政治家は 何も感じていないのが とても悔しいです。
これだけ 世の中が 真実をと思っているのに
何故 赤木さんの同僚の人達は 真実を語ってくれないのかしら?
そんなに 自分の地位を守りたいのでしょうか??
国民のための 公務員ではないのでしょうか?
悲しく 腹が立つ内容の本でした。
多くの人に読んでもらいたいです。