【感想・ネタバレ】万能鑑定士Qの事件簿 0のレビュー

あらすじ

2009年、都内でバンクシー作とおぼしきステンシル画が見つかった。真贋判定を依頼された「万能鑑定士」の凜田莉子は、都庁に赴きその絵を鑑定。これにて一件落着かと思われたが、その場は序章に過ぎなかった――。ゴッホの真作、漢委奴国王印を巡る謎に次ぐ謎、そしてまさかの真実! 舞台は熱海、福岡、そして日本を飛び出しグアムまで! 再び帰ってきた莉子の知られざる大勝負。シリーズ最後にして最初、最大の事件に挑む!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 何回エピソード0があるねん。わかりやすく言えば力士シールで記された回想がシリーズとしてのエピソード0、10巻で明かされるエメラルド密輸事件が探偵としてのエピソード0(シリーズとしてはエピソード0.5)、今作が万能鑑定士としてのエピソード0(シリーズとしてはエピソード0.75)といったところか。知識を深め、推理力を高めても探偵としてはそれで足りるかもしれないが鑑定士としてはまだ足りない。鑑定という職業にどのように向き合っていくべきか、それが明かされるのが今回の「0」というわけだ。まだ日本でメジャーになってないころのバンクシー、日本ゆかりの画家ゴッホ、国宝金印と鑑定への向き合い方を問う今作に申し分ない代物が目白押し。まだ詳しく検証できてないが畳のトリックはなかなか面白い。
 莉子が登場する話はまだまだあるようだが、一旦はここで終了。あの純粋さに出会いたくなったらまた会いに行くことになるだろう。またいつか、謎めいた舞台の上で。

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2023年11月01日

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ネタバレ

凜田莉子のチープグッズから独立したての時のエピソード。
時系列は『事件簿Ⅹ』の後の物語で、爾北会を壊滅させた後でその世界で一躍有名となった彼女がバンクシー・漢委奴国王印を巡ってグアムや福岡・熱海と言った所を旅していく。時系列こそ小笠原と出会う前だがメタ的には今までの事件を彷彿とした言葉を、物語の中では予言のような形になっているのがとても面白かったです。
今回も松岡作品よろしく『グアムの探偵』から主要キャラ3人が登場しており、レイが相棒代わりとして真相を明らかにしていく。私はこのキャラクターをこの話で知ったのでどんな物語が向こうで展開されていくのかが読むのが楽しみになりました。
小笠原と出会う前の莉子は自己肯定感があまり無いものの、行動力は昔からだったんだなぁという印象を受けた。呼び出されて直ぐに熱海に行き、その後グアムへ行き、1日経ったら次は福岡へ戻るというハードスケジュールをこなしていたのが凄いなぁと、今の彼女の姿を見ているとこの頃からもしかしたら鑑定家としての自覚が無意識ながら出てきていたのかなぁと思いました。また、盗賊団の一員であったアドモに裏切られても、その人の審美眼の鋭さを見抜いて更生を促そうとするところも彼女の人の良さがあって面白いと思いました。これで万能鑑定士シリーズの長編は後1冊になったので12月にレビューを書いていきますのでお楽しみに!

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
凜田莉子:佐藤聡美
葉山翔太:中村悠一
富田夏鈴:上田麗奈
鵜澤隆仁:三上哲
パーシヴァル・ラングリッジ:松本保典
カミロ・アドモ:陶山章央
笠岡苗美:高島雅羅
クインシー・プレストン:小野坂昌也
レイ・ヒガシヤマ:梶裕貴
デニス・ヒガシヤマ:内田夕夜
ケンゾー・ヒガシヤマ:羽佐間道夫
丹野尚彦:加瀬康之
藤巻克典:森田順平

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2022年11月27日

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ネタバレ

莉子さんがお店を構えて間もなくの頃の話。

シリーズが終わった、と思い、それまでの本を全部処分してしまって見返せないのが残念。(『グアムの探偵』も!)

1・2 で力士シール、そのあとエメラルドの話だと思ってたけれど、
本作をみると時系列では
エメラルド ⇒ この 0 の話、バンクシー  
 (小笠原さんと出会ってない)
⇒ 力士シール なのですね。

この後、横浜で開催のバンクシー展に行きました。 

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2020年10月24日

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ネタバレ

事件簿シリーズが始まる前のエピソード。
今ひとつ鑑定士としての自信を持ちきれない莉子が巻き込まれたバンクシー作の絵の真贋鑑定と『漢委奴国王印』の盗難、入れ替え事件、ゴッホ作の絵画窃盗事件。
それぞれ別の場所で起こりながらも全てが繋がっており、その過程で莉子が自信を取り戻す過程が書かれている。
これだけの出来事を繋いでいくので若干の強引さはこのシリーズの特徴として受け入れてしまえば楽しめる。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

専門用語が多いが全体的にわかりやすく解説されて内容が入ってきて面白かった。だんだん話が大きくなって警察や世界的規模の盗賊団が現れてドキドキさせられた。バンクシーが表に出てない時代だったのだろうか。ワイドショーでも話題にのぼる昨今とは少し時代が感じられた。

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2021年03月02日

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ネタバレ

“万能鑑定Q”の店長、凛田莉子(りんだ りこ)は、美術品や骨董品、日用品から趣味のアイテムまで何でも鑑定する万能鑑定士。

ある日、莉子は都内で見つかったバンクシーと見られる作品の鑑定を依頼されます。それが縁で熱海美術レプリ館、そしてグァムまで行きホテルの展示品の鑑定をすることになります。そこには何と《漢委奴国王印》があり、しかも莉子にはそれが本物に思えて…。


実はこのシリーズを初めて読みました。シリーズ最後にして最初の事件だそうなので時系列としては合っているのでしょうけれど(笑)。

若くて美人で何でも鑑定出来て、と完璧に見える莉子ですが、実は『熟した柿』を『熟した姉』と読んでしまう抜けているところがあり、親しみがもてます。
詐欺にあいラッセン風の絵を買ってしまった大学生に対しても無下には出来ず、親身に相談に乗ってあげるのですから、莉子はいい人(お人好しとも言います)です。


莉子は、公的な資格があるわけではない“万能鑑定士”と名乗ることに自信がもてないでいます。そんな莉子が、《バンクシー》や《漢委奴国王印》の鑑定をする羽目になり、事件に巻き込まれていきます。自分が出した鑑定結果がもたらす影響の重圧と闘いながら、迷いを吹っ切っていく莉子は頼もしく思えました。


そして事件解決後、莉子はお店の看板の士の文字に貼ってあったシールを剥がし、“万能鑑定士Q”としたのでした。

万能鑑定士としてスタートをきった莉子の今後の活躍を読みたいと思いました。このシリーズ全部読みます。

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2020年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

舞台を2009年に移し凛田莉子が帰ってきた
まだ自信が揺らぐ彼女がバンクシーの真偽を
そして事件の本質は漢委奴国王の金印(国宝)
サラリと儒学者亀井南冥の捏造だとか、発見
者甚兵衛の存在確認が出来ない等マニアック
ネタをぶちこんできました

甚兵衛口上書の中身
金印発見  天明四年二月二三日
口上書日付 同年三月十六日
発見場所  筑前国那珂郡志賀島叶の崎
発見者   土地所有の甚兵衛
発見状況  畠の中の小き石段々出候内
二人持程の石有之 かな手子にて掘り除
け申候処、石の間に光候
発見者の兄 喜兵衛の元奉公先米屋才蔵
口上書 津田源次郎

南冥と米屋才蔵は身内
南冥と津田源次郎も交流がある
南冥は口上書以前に鑑定書を二枚作成
1)方七歩八厘 高三歩 
津田は金印を自己所有物として学者南冥
にも見せないため、買い求めると声高に
言う事で私有化断念
(藩買い上げ)

金印は世に出る前に存在が知られていた
南冥の論文が早い
幕末・大正期における金印論争
だめだ・・・深すぎてわからない(´・ω・`)

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2020年08月18日

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