【感想・ネタバレ】蓄電池社会が拓く エネルギー革命のレビュー

あらすじ

自然エネルギーは、作れば作るほど安くなる“工業製品”だ!
太陽光発電や風力発電による電力は再生可能エネルギー、または自然エネルギーとも言われるが、実は工場で大量生産される“工業製品”でもある。こうした電力は「スワンソンの法則」に沿って、作れば作るほど安くなることが知られている。事実、太陽光発電の発電コストは既に当初の1/100になっている。しかもまだまだ安くなり、その下限は見つからない。将来的には、太陽光発電の発電コストは“ほぼタダ”に近づく。
米フォードが20世紀初頭に自動車を大量生産し、“馬”に頼っていた我々の移動手段を一変させたように、電力の世界もこれまでの化石燃料の“狩猟採集時代”から“工業化時代”へと変わる。すると我々の生活も大きく変わる。今から再エネを積極的に導入していけば早ければ2050年には日本でも現行の電力需要量と同じ量(約1兆キロワット時)を再エネだけで賄える計算で、電気料金は現行の1/10~1/2になる。製造業はもちろん、物流、運輸、情報通信などに掛かっていた諸費用も大幅に安くなる。空飛ぶタクシーなどの新産業にとっても朗報だ。石油あるいは石油から作られていた化学製品が電気エネルギーを使った合成によって自然エネルギーから作られるようにもなる。
その実現のために、取り組む必要があるのは再エネの大量生産だけではない。その工業製品としての“電力”を一時保管する倉庫、つまり蓄電池も大量生産する必要がある。電力の工業化時代は、蓄電池が社会の隅々まで浸透した“蓄電池社会”でもある。その先には“水素社会”も待っている。

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Posted by ブクログ

電気の同時同量則からの自由を得るための太陽電池、蓄電池、燃料電池を前提とした社会システムを提案。

再生可能エネルギーを電力料金低下を主眼に据えて説明する切り口が新鮮。
価格低減見込みのない・高騰見通しの(狩猟採取的な)化石燃料 V.S. 価格低減が見込める(工業製品的な)再エネ

発電量、出力、容量等の相場観づくりにも役立つ。

◯太陽電池の単位
Wp(Watt-peak) :晴天時のAM1.5、25℃での太陽光に対する最大出力
AM(Air Mass):太陽光が海抜0mの地上に届くまでに通過する大気の厚さ。天頂方向がAM1.0。AM1.5は太陽高度が約4.18度のときの大気の厚みに相当。

◯短時間・短距離への蓄電池、長時間・長距離への水素、余剰水素を活用した火力発電、農業分野等へのセクターカップリング

◯高機能化(発熱低減・小型化)のための省エネルギーの進展

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2021年05月02日

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