あらすじ
近年のLGBTの方々への社会的な理解が進む中、行政や企業では共存、支援の輪が広がっています。一方でまだ誤解や偏見もあり、さらなる知識の普及・啓発も課題です。
そのなかで個々の企業も対応を迫られていますが、担当者には、なにから始めればよいのかわからない、従業員の要求に応えられない、訴訟リスクは避けたいなど不安や戸惑いが強くあります。
本書では、多様な方々と共に安心して働き、個々の能力を発揮できる職場を築いていくための必要な知識や考え方、気をつけるべき点、具体的な事例、または想定される問題と解決法などを多くの企業事例、担当者の声などとともに、法律家、支援者の立場からわかりやすく解説します。
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Posted by ブクログ
LGBT、と言われだしてから、ものすごいスピードで当然のことになっていく流れに、どうしても乗り切れず、LGBTQ、SOGI、アウティング、アライ、、、とどんどん言葉も増えていくことに音を上げてしまいそうになります。
理解しなければ、そういう人を認めなければ、と思いながらも、自分ひとりがそう思えばいいかだけでは行動できない場面は少なくないと思います。
部下がもし、見た目の性と反対のトイレを使いたいと言ってきたら?昨日と反対の性の見た目で突然出勤してきたら?
ああ、そういうことだったのね、私は別にどっちでもいいから、好きにしたらいいよ、と言うことだけでは、きっと済まないと思います。また、好きにしたらいいよ、は本当に理解していることとは違うのでしょう。
さまざまな価値観を認め、受け入れていくことが、言ったもの勝ちにならないような仕組みづくりを続けていくこと、本書のような解説本や事例を見ながら考えること。
その繰り返しが、きっと少しずつ、未知のものへの不安を受け入れて理解していくことにつながっていくのだろうと感じます。
ただ、現時点では、本書の事例のなかにも、何度読んでもどうしたらいいのか正解が見えないものもありました。自分自身が育ってきた環境や経験の上で成り立ってきた自分の理解を、大人になってから新たに広げることは簡単なことではありません。
頭の中だけでなく、きっと、実際に接していくことが、理解を変えていくのではないか、と現時点ではそう考えておこうと思います。