【感想・ネタバレ】東京医科歯科大学を首席卒業した名医が教える 世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか―――科学的に正しい歯のケア方法のレビュー

あらすじ

欧米の一流が幼少の頃より気にかけ、投資を惜しまず、そしてケアに時間をかけていえるのが「歯」と「口臭」です。翻って日本では歯に対する意識は欧米の足元にも及びません。ですが、ようやく歯を大事にする人々が増えてきています。本書はそんな「歯」と口臭に意識が向いている人、向き始めた人に対して向けた、歯の健康についての正しい知識と最新のケア術について解説した本です。

健康や外見、身だしなみへの意識が高く、積極的にケアしたり、子どもに矯正治療を受けさせるビジネスマンをメインの読者として想定しました。この市場は、ビジネスマンと食事、筋トレ、休養、睡眠、風邪予防・・・などヒットの出やすい市場です。特に歯科分野もデマや自己流のケア方法が流布されているので、ここでズバリと正しい・最先端の知識を伝授します。

著者は国内最高峰の東京医科歯科大学を首席で卒業後、イギリスの歯科大学院で学んだ女性歯学博士。キャリアはピカイチな上に、話題性も秘めています。著者が英国時代に「日本人は豊なのに、なんで歯があんなに汚いの?」という軽蔑を込めた質問など、海外でのリアルなエピソードは本書の読みごたえを増すものとなっています。

ギネスブックも認めた「世界一感染者の多い病気」「日本人の8割の成人が感染」しているのが歯周病です。しかも糖尿病や認知症の原因にもなります
口腔ケアがもたらすベネフィットの解説、世界の先端の口腔ケア術に始まり、我が子のための矯正の正しい知識、正しい歯ブラシの選び方、歯みがき粉はつけるべきか否かといった身近な疑問まで網羅。
「歯は民度の鏡」と思っている人に響くのはもちろん、自分や子どもの歯に少しでも心配の種や疑問があれば、つい手に取りたくなる1冊です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

論旨は、健康な歯はビジネス的・私的にも大変有益である。例を挙げればキリがないが、笑顔に自信が出る、高齢でも自分の歯で噛める喜びがある。
著者は科学的根拠(研究結果・論文)を基に正しい口腔ケアを教えている
・朝一は起床直後と朝食後に二度歯磨きした方がいいが、時間的に起床直後はうがい(口腔内の細菌を流す)し、朝食後にプラークの元となる糖分をブラッシングで落とすべき。
・キシリトール歯磨きはキシリトール含有率50%以上でないと効果がない。無論、糖類0gの製品を選定し、食後に3回噛み、極力唾液が口腔内に残るように噛む方が良い

中学生で矯正治療をしても、親知らずが原因で再度歯並びが悪くなることはある。親知らずは20歳前後の抜歯が推奨される。骨も完全に治るし、回復も早い

子供の矯正は一期治療(11歳まで)と二期治療(12,13歳以降)がある。
一期治療と二期治療を両方実施しても、二期治療単体実施と費用は変わらない。大体100万円くらい。
一期治療の開始タイミングは7〜8歳くらい。
小学校入学くらいで専門医に診てもらった方が良い。

フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防に効果的。
・0~5歳までは低脳である500ppmが安全面からも最適
・6歳以降は、成人と同じ1000ppmを使用する事が推奨されている

虫歯菌はやはり母親や親族の唾液に含まれる虫歯菌の感染によるもので、70%は母親ら感染し、残りの30%は父親やその周りの家族や身近な人から感染すると言われている

虫歯予防は
・幼い頃から定期的に歯科医院に通わせ、正しい歯磨き習慣及び生活習慣を身につけさせる
・虫歯予防に効果的な処置を適した時期に受けさせる
・万が一の場合には、早期発見、早期治療する

0
2025年09月22日

Posted by ブクログ

■欧米人と日本人で歯に対する意識の差がある。
著者が英国留学中によく言われた言葉がそれを物語っている。
「日本人はなぜあんなに歯が汚いんだ?」
汚い=歯並びが悪い、口が臭い、虫歯がある、銀歯が目立つ。

「日本は歯科後進国」だと思い知らされた。

●欧米人の意識は高い(特にアメリカ)
◯中流階級以上の人は歯に当たり前にお金をかける
◯子供に矯正させるのは親の責務と考えられている。
◯歯並びの悪さは「貧しさ」の象徴とされ、歯で「育ち」を判断される。
◯アメリカ人が歯にかけるお金は日本人の6倍!
⇒歯が痛くないときからメンテナンスを徹底している。歯科治療となった時に自費診療で多くのお金がかかってしまうという社会保険の違いも原因の一つ。
◯欧米人は挨拶で頬を寄せ合うなどするため普段から口臭に敏感にならざるを得ない。

■歯があなたの寿命を左右する
◯歯が健康であれば全身の健康につながる
◯近年では歯周病が糖尿病、心臓疾患、脳卒中、がんなど全身の健康に影響を与えることが明らかになってきた。
◯口の中は肛門よりも汚い!!!
肛門周辺の細菌数:約30億個
口の中の細菌数:
約2000億個(口腔管理ができてる人)
⇒ただしこれは常在菌という安定した数で存在することで病原性の微生物が侵入した時にその繁殖を抑制し発病を防ぐ効果があるので、口の中のが健康な状態であれば細菌が悪さをすることはないようです。

しかし口腔管理が十分でない人の場合は約4000億から1兆もあると言われ、いくら常在菌でも多すぎると状況はかわり虫歯や歯周病の原因となるのはもちろんのこと、最終的には全身の健康被害へと普及していきます。

◯死亡原因第5位の肺炎は歯磨きで予防できる
多いのは夜中睡眠中に唾液が気管に垂れ込みに肺に吸い込んでしまう誤嚥性肺炎。
阪神、淡路大震災時の直接死以外の原因で震災後2カ月以内に亡くなられた方の死因の最多数が誤嚥性肺炎だった。

◯肥満や認知症、早産、低体重児出産にも歯周病が関わっている。

■日本人の8割が感染、世界で最も患者数の多い病気は歯周病
◯30歳からは虫歯より歯周病対策に重点を移す。
◯歯周病の危険因子
1:プラーク(細菌の塊)が厚くなることで歯周病菌が増える。
2:免疫力の低下(高齢化も含む)
3:生活習慣(喫煙、ストレス、不規則な生活、不規則な食生活)
◯1のプラークをコントロールすることで歯周病菌を減らすのが大事。

■歯磨き
◯目的はプラーク除去
◯歯周病菌は空気が苦手
◯歯周病菌は空気に触れない「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」「プラーク内」に集まる
◯プラークが歯石になる前に1日1回、歯ブラシと歯間清掃器具で丁寧な歯磨きをすることが対応策になる。
◯ホームケア+プロフェッショナルケア(3ヶ月〜)が必要。

■歯ブラシと歯間清掃器具
●歯ブラシ
◯硬さはふつう。歯肉の腫れや出血時はやわらかめ。
◯ヘッドは3列の小さいもの
◯持ちては細かく磨きやすい真っ直ぐのもの
◯素材はナイロン製
◯1ヶ月に1回交換する。
●デンタルフロス
◯必須
●歯間ブラシ
◯歯周病が進行して歯肉が下がってしまった人向け
●タフトブラシ
◯歯ブラシ+α。歯ブラシだけでは除去しにくい奥歯の裏、歯並びが悪いところの歯の間、矯正器具が付いてるところなど。

■口臭対策
◯口臭の原因は歯周病のため歯周病対策が必要。(病的口臭)
◯舌の上にたまる舌苔がニオイのもとになってることも。
⇒生理的口臭のため舌ケア(舌磨き)をもっとも舌苔の多い起床時に行うようにする

■唾液
◯唾液が自浄作用、抗菌作用で口の中を中性に保っている。
◯唾液が減ると菌が増えるので虫歯や歯周病になりやすくなる。
◯唾液が減ると口臭もます。
◯唾液腺を刺激する
耳下の前の(上の奥歯のあたり)をマッサージすると唾液が増える。

■食べ物の影響
◯酸性の飲み物は歯を溶かす
酸蝕症(サンショクショウ)
⇒飲食物や胃液の酸で歯質が薄くなってる状態
◯ペーパー
アルカリ性:7以上
中性:7
酸性:7以下
ペーパー5.5以下の酸性は歯を溶かす
ワイン⇒2.5-3.0
コーラ⇒2.4
だらだらと長時間飲むのがリスクがある。

■良い歯医者の見つけ方
◯いい歯科衛生士が長く働いている
◯治療の説明が丁寧な歯科医がいる

0
2025年03月21日

Posted by ブクログ

最近、長年の蓄積による歯の黒ずみ、黄ばみが気になってて、今年中にホワイトニングやってみようかな〜と思ってたところ本書を発見。読んでる途中で歯医者の予約を入れました。

日本人は歯(口臭含)に関して無頓着過ぎる。相手にいかに気分良くいてもらうか・好印象を与えるかがマナーであり、その最たるものが笑顔であり歯である。
ぶっ刺さりました…。

虫歯や歯周病がQOLだけでなくいかに全身の健康に悪影響を及ぼすかや正しい歯磨きの仕方、道具の選び方まで分かりやすく書いてありました。

色々な将来の危険性について書かれていましたが、裏を返せば今から始めれば最高の将来への自己投資になる!みなさん、定期的に歯医者さん行きましょう!!

0
2025年02月02日

Posted by ブクログ

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 再読したい
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 再読しないが良かった
⭐︎⭐︎⭐︎ 普通

0
2023年09月10日

Posted by ブクログ

自分を含む日本人が、いかに歯に対して無頓着であるかを痛感させられた。
一生使えるオーラルケアのバイブルとして、自信を持って他人にもおすすめできる1冊。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アルツハイマーと歯周病の関係はイマイチだったな。アミロイドβと歯周病の原因菌は関係なさそう。物を噛めなくなると、脳への刺激が減るって節の方が納得いく。



咀嚼筋が活発→脳神経に刺激→海馬が発達

第一期治療 顎の位置や骨格を動かす、乳歯から永久歯になるタイミング
第二期治療 歯を動かす

夜間の睡眠中に唾液が気管に入り、誤嚥性肺炎になることが多い。唾液中に混在する口腔内の細菌が肺に入り、炎症を起こす。

口内最近はウイルスが粘膜に吸着し増殖するのを助けるプロテアーゼやノイラミニダーゼを生み出し、ウイルスの感染を手助けする。

陣痛はプロスタグランジンという物質の分泌で誘発されるが、炎症性物質によって分泌が促進される。その結果早産が起きてしまう。
逆に妊娠性歯肉炎といって、女性ホルモンの増加によって歯周病原菌が増える。羊水などからも菌が研究されることもある。

視覚や聴覚は一度大脳新皮質を通して、大脳辺縁系の海馬に伝達されるが、嗅覚はダイレクトに海馬に伝達される。

歯に含まれるCaとかPが酸によって溶け出すが、唾液が溶け出た成分を戻す。フッ素がその戻す作用を促進させる。

0
2021年02月06日

Posted by ブクログ

歯のこと知っていたつもりだったが、この本を読んで改めて考えさせられた。
東京医科歯科大学を首席卒業された森下真紀さんが書かれた本。

口の中の汚れは様々な問題を起こす。
歯周病、口臭、認知症など。
特に30歳を過ぎれば歯周病に気をつける。

歯周病のはじまり。
歯垢(プラーク)は歯の表面につく白から黄色の堆積物で1mg内に1億個以上の細菌が生息。このプラーク層が厚みを増し、細菌集落を形成する。厚い層のプラーク内には空気が行き届かず、空気を嫌う歯周病原菌にとって居心地の良い場所となる。そうしてプラーク内で、病原性を増した歯周病原菌は歯と歯肉の間をぬって奥へと侵入。歯肉炎になり、歯周病へと段階を踏みながら進行していく。歯肉炎になれば危険と感じた方がいい。

口臭の原因は二つ。1つは歯周病、もう一つは舌苔。広く白い堆積物が溜まっていれば、口臭を放っている可能性が高い。この堆積物は剥がれ落ちた粘膜上皮や血球成分、食べかすや細菌の死骸などの老廃物。この老廃物を歯周病原菌が分解することで強烈な悪臭を放つ。
舌ブラシと舌ベラで舌苔をとる。

最近舌ブラシで舌苔を取ることを怠っていたので、毎朝するようにする。

0
2021年01月04日

Posted by ブクログ

歯のケアについてとてもわかりやすくまとまっていて、なおかつ、読みやすい本です。
この本を読んで、歯のケアの重要性を感じました。
読んだ後、ドラッグストアの歯磨きコーナーに自然と行ってしまうほどです。

この本で最も印象に残った事項は次のとおりです。

歯磨きの目的はプラーク除去。
プラーク…細菌の塊

0
2020年10月22日

Posted by ブクログ

日本は歯科後進国であり、歯科ケアに意識が低い点、納得しました。歯並びについての意識、歯周病になる前にケアが必要であることなど、とても学びになりました。

0
2025年04月27日

Posted by ブクログ

大人になったら歯周病に気をつけること。
ホームケア以外にプロフェッショナル歯磨きもしてもらうこと。
歯の間の汚れを落とす事。
歯間ブラシ、フロスを使う事。
細い歯ブラシも使う事。
歯ブラシの硬さは普通を選ぶ事。
などなど。

歯磨きグッズは一応作者が言う物を毎晩使っているのでこの先も続けよう。

0
2024年07月19日

Posted by ブクログ

歯並びだけでなく、お口のケアが何より大事!認知症、あらゆる臓器にも歯周病や口内雑菌が関連している。歯磨き、フロス、マウスウォッシュ、とにかくケアするのみ!

0
2024年05月17日

Posted by ブクログ

日本人の歯に対する意識の低さは確かに海外の人に比べて明らかに知識量含めて差があるので、一読しても全く損はない内容です。

0
2022年08月29日

Posted by ブクログ

欧米人と日本人の歯に対する意識の違いを主題とする。
私も歯に自信がない日本人だから耳の痛い話であった。

確かに日本では歯医者とそれ以外の医者・病院を明確に区別している気がする。
欧米では、歯は身体の一部と捉えているため、見た目の美しさを追求するのに加えて、歯の健康は=身体の健康と考えている。

りあえず今後は歯間ブラシと歯磨きを徹底して、一生自分の歯で物を食べることを目標にする。
口内環境が悪いとあらゆる病気の原因になると言うから、3か月に1回の歯科検診も欠かさない。
機会があればマウスピース矯正もトライしたい。
自分の子供には早めに矯正をして歯ブラシも徹底させようと誓う。

0
2022年07月06日

Posted by ブクログ

歯の治療について調べる中で。
日本、海外、幅広い視点で書かれていてよかった。
やっぱり、こどもの頃から、虫歯を作らない、歯を削らなくてすむ環境作りを。

0
2022年06月22日

Posted by ブクログ

さきさんプレゼント用
海外と日本の歯に対する意識の差
1日1回ばり丁寧に
歯磨きの目的はプラーク除去、プラークコントロール
1日1回フロス
タフトブラシ
舌ブラシ1日1回
キシリトールは50%以上配合を選ぶ
歯並びが良くなって笑顔が増えることの効用はでかい

0
2022年02月19日

Posted by ブクログ

歯はステータスの象徴であり、米国では幼少期から歯科医院で矯正をしたりクリーニングをするのが当たり前となっていることに驚いた。
アメリカ歯周病学会の掲げたスローガンでFloss or dieとデンタルフロスの重要性を強調されていた。
歯周病の全身への影響が勉強になった。誤嚥性肺炎は災害時に大きな問題となり東日本大震災や熊本震災では歯科医師・歯科衛生士が導入された。慢性炎症の結果、インスリン作用を弱め糖尿病に、脳の炎症でアルツハイマー認知症に、よく噛むことをしない事が加わりメタボリックシンドローム、その影響で心筋梗塞や脳卒中に。
30歳からは虫歯より歯周病対策を。ホームケアに加えて、3ヶ月-6ヶ月に1回はプロフェッショナルケアを推奨。
口臭は2流の証。スメルハラスメントという言葉。その他にも歯磨きの仕方、歯医者の選び方、間違った言い伝えなど役立つ情報が掲載されており良かった。

0
2021年01月18日

Posted by ブクログ

前半は日本人が歯並びや歯の健康に対して、諸外国に比べて無頓着であることが中心に書かれており
恐怖心を煽られるような内容だった。
後半は実践的で歯磨きのやり方や歯磨き粉の選び方、舌ブラシなど読んでいて面白かった。

0
2022年12月10日

Posted by ブクログ

歯周病は万病の元であり、震災後など水がなく歯磨きが十分にできない環境では、高齢者の肺炎リスクが増える。

口は想像以上に汚く、それゆえに徹底した歯磨きが重要。食後に歯を磨き、プラークを最小化し、フロスで歯間も磨くこと。

世界のエリートは徹底して歯に気を遣っており、口臭がするのは日本人ぐらい。歯周病の可能性を疑いつつも、口の乾燥に気を使い、しっかりと歯を磨き、舌苔にまで気を使うとよい。

0
2021年10月23日

Posted by ブクログ

最初は日本人歯を気にしなさすぎーが長くて読むのをやめようと思ったが、中盤から、原因、対処法などが書かれていてためになったし、一気に読めた。
こども時代のケアが将来に繋がる事は何となくは知っていたが、分かりやすく書かれていた。
30歳からは虫歯もだけど、歯周病予防。歯に注意を向けるのに、良い本だったな、と思いました。

0
2021年10月17日

「暮らし・健康・美容」ランキング