【感想・ネタバレ】危険人物をリーダーに選ばないためにできること――ナルシストとソシオパスの見分け方のレビュー

あらすじ

【内容紹介】
リーダーの「質」はわたしたちの生死に直結する!

こんな「対立屋」があなたのまわりもいませんか?
1 「標的」とした相手を非難することばかり考える
2 オール・オア・ナッシングの考え方や解決策
3 持てあますほどの強烈な感情
4 9割方の人々はしないであろうきわめて否定的な言動

ヒトラーの名前を出すまでもなく、歴史的にも最悪といわれるリーダーが選挙によって選ばれています。彼らは時に魅力的で、雄弁で、有能にさえ見えます。とくに危機においては。
しかしこのような人物に権力を握らせてしまった場合、わたしたちは大きな代償を払うことになります。
ナルシスト(自己愛性人格障者)とソシオパス(反社会的人格障害者)といった、対立を煽ることで人を支配しようとする人たちには特徴があります。
彼らの正体を見極め、あなた自身、そしてあなたが生活する社会への被害を防ぐために、こうした「対立屋」の見極め方を知ることは非常に重要です。
本書はその方法について具体的に解説します。

【著者紹介】
[著]ビル・エディ(Bill Eddy)

個人や組織が「対立屋」に対処することを支援する会社、High Conflict Instituteの共同創立者兼トレーニングディレクター。
アメリカ、サンディエゴにある国立紛争解決センター(National Conflict Resolution Center)シニアファミリーメディエーター。
弁護士、臨床ソーシャルワーカーの資格を持ち、現在、ペパーダイン大学ロースクールのストラウス紛争解決研究所(Straus Institute)およびモナーシュ大学法科大学院の非常勤講師を務める。
200万人以上の読者を持つPsychology Todayに連載をもつ。本書を含めて14冊(共著含む)の著書がある。

【目次抜粋】
はじめに
1 ナルシストやソシオパスはどのように選出されるのか
第1章 対立を煽る政治家たち
第2章 対立を煽る感情戦
第3章 有権者の四分割
第4章 感情を煽るメディア
第5章 架空の危機の三段論法
2 「いかさま王」の本性を知る
第6章 ヒトラー、スターリン、毛沢東はいかにして権力を掌握したか
第7章 危険な世界―ロシア、ハンガリー、フィリピン、ベネズエラ、イタリア
第8章 アメリカ―マッカーシーからニクソン、トランプ、そして次は?
第9章 対立を煽る政治家に対する10のあやまち
3 対立を煽る政治家を止める方法
第10章 大切なのは人間関係
第11章 ナルシストやソシオパスをふるい落とす
第12章 架空の危機の三段論法の正体を明かす
第13章 対立屋の攻撃に負けない振る舞い方
第14章 メディアやフェイクニュースにだまされない
おわりに|私たちの安全を守り続けるために
解説 「危険人物」の毒牙にかからないために 中野信子
[付録A] 対立を煽る危険人物の40の言動リスト
[付録B] 対立を煽る政治家の採点表
[付録C] 有権者の四分割図(書き込み用)
[付録D] 架空の危機の三段論法――世界の事例
原注

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Posted by ブクログ

人格に問題のある者の見極め方と、それへの対処法が解説されている一冊。
ナルシストやソシオパス・サイコパスに類する人物には、人の上に立って然るべきと周りに信じさせる魅力や話術を持つ者がいます。
しかしながら大衆を陶酔させるには似た手法があり、それを扱う人間へ警戒するよう促しているのが本書になります。
出し惜しみせず早々に結論と対処法が紹介され、その後は政治家をサンプルに実際を炙り出しています。
特に印象に残ったものは架空の三段論法についてで、“架空の危機”“架空の悪者”“架空のヒーロー”を作り上げて伝え続けることによる刷り込みをそのように呼びます。
本当に危機なのか、本当にあの人が悪者なのか、本当にこの人がヒーローなのか、を自分で考えることが重要であると理解しました。

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

危険人物が(ナルシスト、ソシオパス、サイコパス)を見極めるためのノウハウ本。見分けるノウハウを知る前に、そもそも危険人物が世の中に7~8パーセントも居ることにおどろいた。よっぽど気をつけないと巻き込まれかねないので、この本の内容を活用して、身を守っていきたい。

0
2022年06月26日

Posted by ブクログ

対立の本質

いわゆる対立屋と言われるひと、特に政治家について、彼らの特徴と彼らが社会をどう操作しようとするかについて解説。

■概要
・熱烈な支持者が居る
・一部(全体の2-3%)を攻撃の標的にする
  - わかりやすく短いフレーズで攻撃
  - 過去の例ではユダヤ人やヒスパニック移民
・対立屋(A)に反対する批判層(B)を悪の枢軸にする
 →穏健派を批判層(B)から遠ざける
 →自分たち(A)の支持に回らせる

・ソシオパスには魅力がある
  - 危機を救うヒーローに見える
  - だが危機を過大に広めたり、論点をすり替え、
  全てを一部の集団のせいにする
・ソシオパスをリーダーに選ばないために
 →まずはパーソナリティで見抜きふるい落とす
 →もし世に出て来たならば、集団ごとに対処
   - 支持派には敬意を持って接し刺激しない
   - 反対派にも加担しすぎず対立屋の的から逃亡
   - 穏健派が支持派にならないよう、
   論点をしぼりわかりやすく説得

■感想
言われてみるとそうだけど、体系化されていてわかりやすい。当たり前に思えても、歴史を見ると我々人類は同じ失敗を繰り返してきているのだから、少しでも学んでおくことは大切。

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2021年05月15日

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