【感想・ネタバレ】キャラクターからつくる物語創作再入門のレビュー

あらすじ

ストーリーにさらなる輝きを与えるための、本当に知りたかったメソッドがここに!
あなたの物語に足りないのは「キャラクターアーク(登場人物の変化の軌跡)」だった!!

『アウトラインから書く小説再入門』、『ストラクチャーから書く小説再入門』で画期的な創作方法を指南してきた著者が満を辞して上梓したのが、主人公の心の動きに着目した本書である。 「キャラクターアーク」を理解すれば物語の中で登場人物が躍動し、必然的に物語の力が発揮される、なぜならキャラクターアークを書くことは物語を書くことと同義だからだ。

人物がたどる変化の軌跡=「キャラクターアーク」三つの基本形とは、「ポジティブなアーク」「フラットなアーク」「ネガティブなアーク」である。本書では、

・キャラクターアークを作るには、まず何を考えればいいのか
・ストーリーの構成とはいつ、どのように関係し合うのか
・キャラクターアークはどんな働きをするのか
・作品の長さや内容、ジャンルに関わらず、優れたキャラクターアークを確実に作る秘訣とは何か

を詳しく解説しながら創作者のモチベーションを上げ、キャラクターと物語構造についての理解を一気に深める内容となっている。

【本書の内容】 (「イントロダクション」より抜粋)

プロットの構成を考える人はたくさんいますが、登場人物とその人物がたどる変化の軌跡(=アーク)に対する意識はおろそかになりがちです。人物を素直に描いていけば、心情の移り変わりは自然に表れるはずだと思われているからです。しかしそれは大きな間違いです。

「プロットと人物は一心同体」というのはプロットの「構成」と人物の「アーク」が一体だということを意味します。言い換えれば、人物の内面の移り変わり(=アーク)がしっかり構成できれば、プロットもテーマもしっかりと安定したものになるということです。

本書は、人物がたどる変化の軌跡=「キャラクターアーク」に注目し、キャラクターアークの基本形な三つの型について詳しく言及しながら、登場人物とストーリー構成がいつどのように関係し合うのかを説明しています。

登場人物の容姿・性格・属性・背景などをひたすら紙に書き出すだけでは、キャラクターは動き出しません。
「読者の心をつかんで揺さぶり、趣味の域をはるかに超えた深みのある作品」を書くためには、キャラクターアークへの理解が必要不可欠なのです。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ハリウッド脚本術の本にさらっと登場する「アーク」という言葉。
その意味とパターン、そして考え方を一冊かけて教えてくれる本。

非常に詳細で、ハウツー本として本当によくできている気がする。
これ通りに考えたら一端の主人公がつくれそう。

1
2019年12月01日

Posted by ブクログ

 本書の内容についてはだいたいが「作品紹介・あらすじ」で説明されている。
 まあ、それを読んでもらって面白そうだと思ったら読めばよいとは思うが、注意事項として『三幕構成』の知識を持っていることが大前提となる。キャラクターの変化の仕方にフォーカスを当て、『三幕構成』を使用したプロットをよりよく活かそうというのが本書だからだ。『三幕構成』のことについては本書で何も説明していない。事前に勉強しておく必要がある。いや、必須である。
 
 それ以外としては、主人公を成長させろ、といった類の指南は色んな創作指南本に書かれているが、本書ではダメになっていく主人公、本書の用語に従えば『ネガティブなアーク』についても詳らかに解説している点は良かった。個人的な経験則だがバッドエンディングの書き方を教えてくれる指南本はなかなか無い。それだけでも本書を読む価値はあろうかと思われる。

1
2020年12月04日

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