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心を閉ざしたヒーローに対して主人公がぐいぐい押すのが良かったです。恋愛ものらしくラブ要素もあって楽しく読ませてもらいました。表紙にもいる猫のだいふく君が物凄く可愛くて空気の読める子過ぎでした。ページ数的に無理だとは思いますが、欲を言えば社長さんとのからみがもう少し欲しかったです。
Posted by ブクログ 2020年06月21日
俺サマというか、過去の一件のせいで引きこもりになってしまった若い作家さんを立ち直らせるために、女性編集さんが体当たりでぶつかっていくお話だった。
この女性編集の真央が本当に真っ直ぐで体当たりで、彼の作品を本当に心から愛していて、若くて青いと言われるかもしれないが(事実あるキャラに言われた)その真っ直...続きを読むぐさ、青さが非常に眩しく、尊いものに見えた。
羨ましいとも言える。
だからこそ、累も立ち直ることができたし、惹かれたのだろうと思う。
作家として読み手に一途に思われることが嬉しくない訳がないのだから。
編集部を潰さないためにというのが理由だったが、その理由を最後まで隠し通して彼を復帰させたのがいい。
彼のためを思って、義務で書くのではなく、彼自身が書きたいと思って書いてほしいというスタンスを崩さなかったのは編集者の鑑。
寧ろ編集者だから、作家に恋愛感情を抱いてはいけないと、自身の想いまで封印しようとしたから、ややこしいことにはなったが、本当にどこまでもいい子である。
ここで編集部の話を先に持ち出して来たり、安易に恋愛に流されなかったところは本当によかったと思う。
ちゃんと編集者としての仕事を貫き通したから。
その分、最後の場面はご褒美ということで、許してやってほしい。
編集部を潰すと言っていた新社長が、終盤で案外いいキャラだったのが分かったり、累を追い詰めた手段を選ばない女性編集者が、本当は累の作品のファンだったり(だからと言ってあのやり方は本当に最悪手だったが)悪役と思われたキャラの意外な一面、悪い部分だけではないところが見えたのもよかった。
唯一の心残りは、累の書く物語を実際に読むことができなかった点か。
あれだけ売れる児童書、読んでみたかった。