【感想・ネタバレ】香港デモ戦記のレビュー

あらすじ

逃亡犯条例反対に端を発した香港デモは過激さを窮め、選挙での民主派勝利、コロナウィルス騒動を経てなお、混迷の度合いを深めている。お気に入りのアイドルソングで気持ちを高める「勇武派」のオタク青年、ノースリーブの腕にサランラップを巻いて催涙ガスから「お肌を守る」少女たち……。リーダーは存在せずネットで繋がり、誰かのアイデアをフラッシュモブ的に実行する香港デモ。ブルース・リーの言葉「水になれ」を合い言葉に形を変え続ける、二一世紀最大の市民運動の現場を活写する。「諦めないでください。手にしている一票を軽んじないでください。個人の力を軽んじないでください。生きている心は誰かを動かせるから。諦めないで努力し続けていけば、いつか必ず成果を得られると、私は信じています。(中略)私には仲間がいます。この戦いは、一人ではなく、仲間がいるから続けられる。それは、香港衆志の仲間、民主派の仲間だけでなく、日本から応援してくれる人も含みます。そんな仲間がいる限り、香港の民主化、市民の権利のために、戦い続けたいと思います。」〈周庭(アグネス・チョウ)、本文より〉

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Posted by ブクログ

ネタバレ

どこまでも/逃げよ逃げのびよ/いつの日か/草、はびこり/砂、城を覆う//

にぎわいし/かの別天地/今は無し/愚かな風に/港の香ぞ散る//

『「獄」という字—両側は「犬」で 真ん中は「言葉」だ /中国の牢獄は人間ではなく言論を監禁するものなのだ』(陳 邁平、翰光著「亡命 遥かなり天安門」より)//

テレビ観る/つかのま隅に/煙ふかし/邦捨つるほどの/思想はありや//

香港人かく戦えり。では、翻って僕らはどうか?「亡命 遥かなり天安門」を読んだ後と同様、彼らの生き方は鋭くこちらの生き方を問うてくる。

国家安全維持法の導入により、彼らの戦いは敗北に終わったように見える。だが、リベラルスタディーズで鍛えられ、200万人デモさえ現出させた彼らの民主への渇望と抵抗のしたたかさを僕は信じたい。

以下は、雨傘運動の際の著者からジョシュア・ウォン(黄 之鋒)へのインタビューの一部だ。
『—日本の若い世代にメッセージを。
「日本には民主主義があるが香港にはない。だから、ぼくは、今ここにいて戦っている。日本の若者たちは、今ある民主主義を大事にしてほしい。民主主義はどんな間違った政治でも改善することができる。民主主義によって、政治は官僚たちだけのものでなく、若者のものにもできるのだから。」』

『実は、雨傘運動後に来日した「民主の女神」こと周庭(アグネス・チョウ)に、こう言われたことがある。—中略—
「日本のアニメやマンガは、自分たちを抑圧する大きな敵に対して、反抗する物語が多いのに、なぜ、日本では、社会運動が起こらないのですか?」』

2018年の立法会議員補欠選挙における周庭の応援演説から:
『「諦めないでください。手にしている一票を軽んじないでください。個人の力を軽んじないでください。生きている心は誰かを動かせるから。諦めないで努力し続けていけば、いつか必ず成果を得られると、私は信じています」』

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2020年07月04日

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