あらすじ
判断は類推に支えられる。心はどのようなメカニズムを持つのか。“われわれの認知活動を支えるのは、規則やルールではなく、類似を用いた思考=類推である”。本書は、この一見常識に反する主張を展開したものだ。類推とは、既知の事柄を未知の事柄へ当てはめてみることと考えられている。だが、それだけでは実態に届かない。その二項を包摂するもうひとつの項との関係の中で動的に捉えなければならない。ここに、人間の心理現象に即した新しい理論が提唱される《準抽象化理論》。知識の獲得や発見、仮説の生成、物事の再吟味にも大きな力を発揮する類推とは何か。心の働きの面白さへと誘う認知科学の成果。
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Posted by ブクログ
・類推とは人間の基本的認知方法である
・類推能力を鍛える方法:准抽象化=事象をゴール(目標・目的・着地点・目指す結果)への共通項で分類・把握(中間的カテゴライズ)することを意識して行う。
・具体的には、現象や物事の比較をよく行うこと。ゴールの観点から
・准抽象化の反対、失われる能力:形式的判断力、直感・経験的に陥りやすい誤り(認知バイアスなど)への対抗力、疑ってみる姿勢。
・准抽象化能力と形式的判断能力を両立する道は…?違いも同時に意識すること?↔准抽象化(類似性の意識)
・この本を読んで思ったのは、もしかしたら、私の脳は昔から、類似よりも差異をよりよく認識する傾向があるかもしれないということ。差異ベースの脳。自らのネガティブさ、頭の硬さ、連想能力の低さ…それらの根本原因が分かった気がする。過去の経験や苦悩が氷解していくようだ。