あらすじ
オペレーションズ・リサーチ(OR)は、第二次世界大戦中、イギリスで軍事作戦研究の技法として創案された。その後、軍事に限らず企業経営や公共政策などさまざまな分野・組織において、意思決定の数学的・科学的アプローチとして発展を遂げた。問題の解決、改善のための最も効率的で最も適切な方法は何か。
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Posted by ブクログ
ORともいえるし、いわゆるQCの解説にも見える。特に「何を目的とするか」「モデル選びのセンス」というところは、広い意味の教養と経験が物を言うというところ、品質管理、方針管理スキームとも共通。
Posted by ブクログ
オペレーションズリサーチ(OR)の基本がよくわかった。ハードの改善は時間がかかるのでソフトつまり運用の改善を目指す、とか、ソフトは「昔からこうやっている」「ベテランがこう言っている」で済ませて科学的に検証されておらず最善と言えない、とか、オペレーションズと複数形なのは何度も繰り返される運用の規則性を対象にするから、あたりが良い説明だった。
事例が、
「ドイツのUボートを攻撃する爆雷の深度調整方法」
「日本軍の神風特攻機からの防御方法」
「敵戦車2両を先制攻撃する方法」
というのもOR初期の雰囲気が伝わって良かった。軍事以外の事例は営業組織や教育などが数ページだけで物足りなかったが、戦争や医療など命が懸かったことじゃないと真剣にエビデンスベースドはやれない気もする。
ORが英国の防空委員会で発展してきた歴史が興味深かった。新技術であるレーダーの効果が薄いのをレーダー性能の問題とせずオペレーションつまり運用方法の検討不足と考えたのはすごい見識。軍人でなくブラケットのような科学の素養のある人が軍事成果をあげるのは長州の大村益次郎っぽい。