あらすじ
怪物が――水中にいる!? 仲間とともに人を食らう怪魚と戦え! この水族館ではムベンガの脱走以外にもなにかが起こっている――ブルーベリー色の巨大な怪物にくり返し襲われ、そのたびに知恵と勇気でピンチを切りぬけてきたひろし、卓郎、美香、たけし、そしてタケル。二学期が始まり数日経ったある日、タケルたちは、ドクロ島の一件で仲間となったナオちゃんに誘われ、碧奧水族館で開催されるイベント「ナイトアクアリウム」を楽しんでいた。ところが、突然警報が鳴り響き、危険な人食い魚・ムベンガが水槽から逃げ出したというアナウンスが流れ――。『青鬼』ジュニアノベルシリーズ第6弾!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
夜の水族館に泊まれるナイトアクアリウムにタケル達は参加していた。普段はみられない夜の水族館を観察できるとあって、皆そわそわしている。そして、ついに夜の見学ツアーが始まった時、再び予期せぬ事態へと巻き込まれてしまう。
***
PHPジュニアノベル版青鬼第6弾。夜の廃遊園地に拉致されたハルナ先生を救い出し、青鬼の原因である青い物体の正体を知ったタケル達。人類の脅威足りうる存在に驚愕しながら、辛くも脱出に成功した。しかし、状況は依然暗雲が立ち込めており改善したとは言い難い。黒幕をどうにかしない限り、平穏な日常は取り戻せそうになかった。 そんな時、ドクロ島の一軒からタケル達の仲間入りを果たしたナオが、ナイトアクアリウムへ当選をした。ドクロ島で助けてもらったお礼にと、タケル達を誘い参加をすることに。イルカショーをみたり、館内のレストランで夕食をとったりと、恐怖の日々を忘れ、つかの間の平穏を楽しむタケル達。しかし、そんなタケル達をあざ笑うかのように、再び黒幕はタケル達の前に姿を現した。次第に苛烈さを増していく黒幕の魔の手からタケル達は逃れることができるのだろうか。
様々な場所で何度も青鬼の脅威にさらされるタケル達。別シリーズの青鬼を読んでいたせいで、感覚が麻痺していたが、初めから割と命の危機に瀕していたと今更ながらに思い返す。あちらのシリーズは実際に死人が出たり、大けがをしたり実害が大きくてあっちの方が大ごとだと思っていたけれど、死人が出ていないだけで、こっちもだいぶひどい目にあっている。ジェイルハウスの一件を皮切りに、何度も命の危機にさらされているのだから、さすがに同情を禁じ得ない。その都度乗り越えてたくましくなっていっているのだが、タケル達がレベルアップすればするだけ、次に仕掛けられている罠もレベルアップしている。今回も、黒幕がある目的のために水族館を訪れ、暗躍していた。暗躍していたというが、思いっきりタケル達の前に姿を現し挑発的な行動をとる。悪役具合にさらに磨きがかかっているが、その驕った態度のせいで前回タケル達に敗北を期したのを忘れたのか!私は断然タケル達を応援したい側なので、黒幕が出てくるたびにムカムカ。当初出たときは頼りになる人物で、こんな感じじゃなかったんだが……。青い物体の支配下にされると、自分が持っている良くない面が前面に出てしまうのだろうか? 夜の水族館に仕掛けられた様々な罠を掻い潜り、自分たちの特性を活かして脱出を図るタケル達。今回もナイスなチームワークを発揮し、脱出に成功する。そろそろ、タケル達の側にも頼れる大人みたいな人物がいたら安心できるのだけれど、彼らの活躍も純粋に楽しみだし、でもそろそろタケル達の手に余りそうな展開になってきたので、大人のフォローもやっぱり少しほしいかもしれない。今回の話で、青鬼を生み出す原因となったものをまき散らしている人物の名前が判明。
名前といっても、神様的な名前でまるで教祖のよう。これは、やっぱりもう一つのシリーズに出てきた神様なんだろうか。世界平和を目指すっていう文言は割と胡散臭いのでたぶん嘘だろうな。人類駆逐されそうだな。黒幕は割と心酔しているが、この黒幕も駒みたいなものでポイっとやられそうで怖い。