あらすじ
先の読めない「ポスト・コロナ」の時代こそ、参謀の出番だ!
BCG日本代表が贈る、次世代リーダーへのメッセージ。
未来がまったく予測できない今、経営トップも意思決定の難しさに頭を悩ませている。
そんなトップに対して、違う視点からの問題提起を行い、議論を活性化させ、
時には周囲と衝突しがらも、より質の高い意思決定へと導いていくのが、
いま求められている「経営参謀」の仕事だ。
戦略コンサルファームとして数多くの企業の意思決定を支えてきた
ボストン コンサルティング グループ(BCG)の日本代表が、
経営参謀の果たすべき役割を分析し、明らかにしたのが本書である。
センスのある参謀とない参謀は、なにが違うのか。
筋が良さそうなロジックが、途中でつまずくのはなぜなのか。
なぜ、突然議論の方向性がトップのひとことで変わってしまうのか。
精鋭を集めたはずのメンバーにもかかわらず、停滞してしまう原因は何なのか。
いつまでたっても議論が積み上がらないのはなぜなのか。
そのとき、参謀は何をすべきなのか。
数々の現場で参謀たちと仕事をし、また自らも参謀的な役割を果たしてきた
著者だからこそ書けるノウハウや心得を具体的に説明。
企業からの依頼で参謀向けの研修や講義も多数行っており、
その経験も本書に盛り込まれている。
真のプロフェッショナルとして、そして未来の経営トップとして
読んでおきたい1冊である。
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Posted by ブクログ
経営参謀になるべくヒントを得るために読書。
経営企画的役割の人にとっての良著。
極めて実務的なロジカルシンキング、中級者向け、参謀むけの本という印象。
メモ
・経営参謀の仕事3要素
1解くべき課題を設定し、潰していくべき論点の粒度と順序を見極める
2意思決定のメカニズムとプロセスを組み立てる
3刺激する材料と考えさせる質問を突きつける
・経営参謀の仕事を定義するなら、
経営にとって今最も重要な問いを設定し、解くべき課題を見極め、議論の材料を経営層に突きつけて意思決定を迫ること
・実は経営でも多いのが、何をどのレベルで議論すればいいのかわからず、まずは課題と論点から明らかにしてほしいと思っているパターン。
・プロセス構築で求められる力
経営層の反応から気づきを得る直感力
先を読んでワークに落とし込む段取り力
・こけるパターン10
トップの指示を鵜呑みにしてそのまま受け入れる
トップのいきなりの豹変についていけず混乱する
トップの言うことだけに乗っかり、立場の弱い少数意見を無視
いいねその方向で進めてくれを真にうける
最初に立てた予定調和のシナリオで押し切ろうとする
答えの出せない問いを設定したまま堂々巡りをする
自分が見えている世界だけで物事を判断する
馬鹿と思われたくないので相手に聞き返さない
自分が抱いた違和感を封印してしまう
自分のチームメンバーに精鋭ばかりを集めたつもりだったが
・問いには誰もが同じ解釈ができる明瞭さがなければいけない。
・論点の設定が難しいと感じた時は何が意思決定を難しくしているのかを意識する
・議論が前に進まない場合は問いの設定が間違っている。もう一度デシジョンツリーを作り直すことが必要となる。
・デシジョンツリーの作り方
0スタート地点の設定
何を前提とするか、そもそも論のどこまで戻るか。
1論点の幅出し・視点を広げる
可能性のありそうな筋は全てぶつけてみる必要がある。
2論点の潰し込み・優先順位づけ・上位下位の見極め
3論点の掘り下げ
4論点の再設計・意思決定に向けた組み直し
・解くべき課題・論点設定のチェックリスト
1解くべき課題は固有のものか
2それが解けたら前に進むか?アクションにつながるか?
3自社にとって意味のある大きな環境変化を意識できているか
4何か社内的あるいは競争上の観点でのトレードオフ、または制約のある点をついているものか
5 AかBかの究極の選択を迫るものか
6 たとえばこういうことと自分の言葉で言える具体性を持っているか。例えばの仮説を提示できるか
7 俯瞰的であってピンポイントであり、広く見ているがシャープであり、複雑な事象だがシンプルであるか
8 今解くべき課題か?今解ける答えを出せる課題か
9初期に立てる論点そのものも仮説であると理解しているか
10 そのプロセスを経て解くべき本質的な論点はジェネラルなものからより固有なものに深まっていくものか
☆経営の解くべき課題は本来ならその会社の歴史や背景、現在のポジションや資産、組織人材などを前提とした中でセットされるべき固有のもの。一般的なものだとその問いは理解が浅いということ。
・プロセスの組み立てにおいて重要な要素
意思決定マイルストーンとアプローチ設計
タイミングマネジメント
チームマネジメント
・リーダー時間はマイルストーンから逆算してメンバー作業の納期設定をすること。
・限られた制約条件の中で、いかに議論に値する材料を組み立てていくかという発想が求められる。
・コーポレートブランド、ESGといった期限を定めにくいテーマは最初の数回の議論を経た早い段階で、一旦マイルストーンをセットすることからスケジューリングを始めると良い。
・考えさせられる材料と質問の突きつけ
ミーティングの事前準備
明快なアジェンダ設定
簡潔なドキュメンテーション
わかりやすいプレゼンテーション
・良い資料とはそれをきっかけに議論が広がっていくもの
ミーティングを終えた時にどんな印象や雰囲気を残したいかもイメージしておくと良い
・ドキュメンテーションにおいて大事なのは仮説的な視点が含まれていること。一点豪華主義を目指せということ。
・自分なりの学び方
もう一度同じプロジェクトをやるとしたらと考えてみる。
・いい質問をする
自分は何を知りたくて聞いているのかが伝わる質問を。
あえて素朴な質問をする
・
Posted by ブクログ
コンサルタントによる経営参謀論。
先日読んだ荒川氏の本よりはやはりコンサルが書いた本だけあって、技術論っぽい仕立て。
メーカーの現実に近いのは荒川氏の本のような感じがする。この本以上にもっと泥臭いものなのではないか。この本でも、以前のよくあるコンサル本のような思考スキルなどではない泥臭さは多少感じさせるが、どこか他人事なコンサルっぽさはやはりあるかな。ただ、それは印象の話であって、参考になる部分はたくさんあった。
最近の自分の反省からいえば、タイミングドリブン、経営層をはっとさせるコンテンツ、ラップアップ、見えていない世界の自覚、多彩な視点を持つ人に直接会う、仮説を出し続ける、I care you、アンカンフォタブルな状況を受け入れる、いい質問をする、素朴な質問をする... 心に引っかかったキーフレーズはこのあたり。