あらすじ
著者はこれまで300人を超える元受刑者を取材してきた。そのなかで、近年顕著になってきたのは、高齢の受刑者たちである。塀の外の孤独で不安定な生活より、安全な刑務所を志願する老人たちが増加しているという。受刑者に占める65歳以上の割合は4.8%、数にして10年前の1.2倍となった。これは、刑務所の老人ホーム化なのか。再犯者率の増加、社会復帰・更正への対策は、ようやく進められているところだが、それだけでは解決できない、高齢化社会ならではの問題と言える。人生100年時代と呼ばれ、後半戦を健康で豊かに過ごそうという多くの高齢者がいる反面、社会から見捨てられ、置き去りにされる老人受刑者たち。刑務所、更生保護施設、支援組織を取材、高齢受刑者・出所者本人へのインタビューを行い、漂流する老人たちの現実に迫ったルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
「塀の中の事情」とあわせて、朝日新聞の書評で見かけたので読みました。
こちらは、取材のすべてをここに記載している、裏を返せばちょっと取材もとが限られている、という印象を受けました。自分もしてきたような1回限りの見学記・インタビューを並べたものより、せっかくなら、出所者のその後等、まとまった期間、継続的な形で生活を取材したようなものが読みたかったです。
特に知らない話で面白かったのは、出所者の社会復帰のための民間事業を行っている人へのインタビューでした。受刑者専門の求人誌を発行している女性。出所者支援といっても対象・強みはいろいろであり、この女性の言う通り、出所者支援の組織・事業が横断的に連携できる仕組みがあるといいと思いました。
自分もこんなこと言える立場かわからないけど、すみません、時々、日本語の文法が気になりました。。校閲する人は手が回らないのか、あるいは、あまり強く言えないのでしょうか。