あらすじ
ブラームスの音楽の本質・魅力を、ブラームスの人間像も含めて解き明かす。交響曲、協奏曲、ピアノソロ、室内楽等々、幾多の名曲と名演奏を味わう、ブラームス鑑賞の決定版。
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Posted by ブクログ
客観的に、時に激情が募って主観の才骨頂に。筆が自由自在に滑る秀作。
内容が微に入り細に渡って、しかも音楽の専門用語が大半を占めるだけに、読み流せない。
このところ、ショパンも好きだけど・・ブラームスの内面世界の懊悩が現れた・・特に室内楽にはまっているだけに。
YouTubeのショート動画が好みそうな「シューマン夫人クララをまみえた三角関係」はさておき~
独逸の3Dの一人と称されるブラームス。
極貧に生まれ、父親のプッシュで13歳には罵声飛び交う酒場でピアノの語り引きで生計を担わされていた。
シューマンとの出会いが良いか悪いか・・ま、いずれにせよ、暗く寒く陰鬱な気候風土と国民性が彼と彼の音楽に深い影を落としていたことは否めない。
羞恥心が強く、内向的、気難しい程に自己規制が強い。
代わりと言っては何だが、知的さにおいては極めつけ。
ウィーンへ移り住み、南欧的気質になじんで行くが・・・
吉田氏は97歳で21世紀を前に死去。多くの方に敬われ、様々なジャンルの方々との進行も深く、たぐいまれな幸せな人生を送られた方と記憶にある。
その氏が口にするピアニスト、ヴァイオリニスト、指揮者、チェリスト等など、半分ほどしか知らない。
私の知識もお寒い~ツィメルマンにはまって、彼が美青年の20歳代の頃弾いていたピアノソナタ第3番からブラームスの世界へ足を踏み入れた訳。
19世紀北独という世界に生まれ、「叙述音楽を通じて常に高度な劇的表現を追求していた」その空気が彼に与えた影響は思う以上に大きいと感じた。
敬愛し続けたシューマン都若くして別れその際「来るべき人」~ベートーベンの後継者という意を込めたそれに「公的な負荷」を終生背負い続けることとなった。
加えて己はバッハの後継者にも到底なり得ぬとの個人的ネガの心情を持ちづづけている。
100曲以上の室内楽を作曲したと言われるブラームス・・彼の卓越した才能が結実していると自他ともに許された作品・・24曲と言われるが。。