あらすじ
一九七一年、ロンドンで日本人初のファッションショーを開催して以来、一躍世界の舞台に躍り出たKANSAI。その後、ファッション・デザイナーの枠を超えた「スーパーショー」という独自のジャンルを創出し、世界中の人々を魅了してきた。そのエネルギーの源はどこにあるのか。大きな挫折も経験した。三十歳の時、パリのショーで酷評され、周囲からしだいに人が去っていった。借金取りに囲まれて「そろばん玉の上に正座しろ!」と屈辱の言葉を浴びせられたこともあった。そんな辛い時こそ、自らを励ます言葉が必要だった。それが本書で紹介する「熱血語」の数々だ。「夢を叶えるコツは狂ったように欲しがること」「未来に前例はない。迷ったら新しい道を選べ」「外見こそが最も重要な自己表現だ」等々。ひたむきに、ガムシャラに、欲しいものを得ようとする貪欲さを、日本人は取り戻すべきではないのか。何かを成し遂げようと思った時、心に火をつける言葉に溢れた書である。
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Posted by ブクログ
山本寛斎の熱い言葉満載の一冊。
うかうかしていると読者が置いて行かれそうなほど著者の熱気が感じられます。
日頃うつうつ、もやもやとしている方には、お勧めの一冊です。
Posted by ブクログ
山本寛斎(1944~2020年)氏は、横浜市生まれの、ファッションデザイナー、イベントプロデューサー。パリ、ミラノ、ニューヨーク、マドリードなど世界各地の主要都市に「ブティック寛斎」を出店。1971年に日本人として初めてロンドンでファッションショーを開催したり、1993年にモスクワ・赤の広場でファッションの枠を超えたイベントであるスーパーショーを行ったことでも知られる。
本書は、著者がいかにして「世界の山本寛斎」となったのかを振り返った半生記であるとともに、その成功の極意を10カ条の「熱血語」としてまとめたものである。2008年出版。
私は、芸術でも科学技術でもビジネスでもスポーツでも、一芸に秀でた人の伝記・半生記が好きで、新古書店で偶々本書を見つけ、読んでみた。
著者は、幼少期に実母と二人の弟と別れたり、お針子の修行から始めて、独学でスタイル画を学んだり、23歳でファッション界の有力な賞「装苑賞」を獲得しながら、あまりに奇抜なデザインが国内で受け入れられなかったり、ロンドンで開催したショーが成功を収めた後、30歳でファッションの都・パリに乗り込んで行ったショーが大失敗に終わったり、恵まれない経験、苦しい経験を一度ならずしながら、その度に逆境を跳ね除けて前進して行った。そして、その原動力となったのが、本書に語られた超ポジティブ思考であり、以下の10カ条である。
<極意1>外見こそが最も重要な自己表現だ! <極意2>才能を見つけるのは自分自身である <極意3>夢を叶えるコツは、狂ったように欲しがること <極意4>未来に前例などない。迷ったら新しいほうを選ぼう! <極意5>人生には浮き沈みがある。だから退屈しない <極意6>必ず道はある。最後まであきらめない人に未来は開かれる <極意7>好きなことに没頭しよう!そうすれば辛いことも苦にならない <極意8>戦いの前に、「勝つべき理由」を明確にせよ! <極意9>人生の目的はお金を拝むことではない <極意10>見たことのない「美」をとことん追求しよう
また、その他にも、以下のようなフレーズがある。「こだわりを貫き通すことで、その人のスタイルが印象づけられる」、「「やめよう」というブレーキより、「やろう」というアクセルを踏む人生のほうが面白い」、「どんな過去でも、必ず意味はある。消しゴムで消したい過去などない」、「大事な決断ほど、理屈ではなく直感に従おう」
人生は十人十色であるし、だからこそ様々な人の伝記や半生記、また、伝記や半生記にはなりようもない市井の人々であっても、そうした人々を描いたルポルタージュ等は面白いのだが、本書に限って言えば、前向きになりたいときに、思い出して(手に取って)元気をもらうという意味で、一読の価値はあると言えそうである。(望むらくは、若いうちに読んでおきたい)
(2023年1月了)
Posted by ブクログ
購入者:松本
若い頃の写真がカナリ男前で、カッコ良いです!
貸出:中山(2008.6.24)返却(2008.6.25)
寛斎さん熱いです。ポジティヴで熱血です。言葉よりもその熱さが伝わってくるそんな1冊です。
貸出:村田(2008.6.26)返却:(2008.10.30)
いつもエネルギッシュな寛斎さんの源がわかった気がしました。
貸出:小畠 返却:(2008.12.23)
熱血漢、熱い男、山本寛斎が思う日本が世界に誇れる美学とは、歴史・伝統・色彩美という武器を生かしてロンドンファッション業界で勝負し続けた熱血デザイナーであると改めて認識させられた。日本人であることに対する強烈な誇り、現代の若者文化の様々な悪しきところ(考え方)を変えていかなければならないのではないか?どの業界もまさしく人中心の時代に突入してきたのだということを痛烈に考えさせられた。