あらすじ
本の森の迷路は深くて凄い! イギリスだけじゃない、書誌学者リンボウ先生の原点をさぐる名著――書誌学とは、言ってみれば本の考古学。標本とくらべて時代や筆者を推理分析する、まるで探偵小説を読んでいるようなおもしろさ。博覧強記でイギリス通のリンボウ先生、実はこの書誌学者。難しそうで読めない言葉が並んでますが、リンボウ先生の案内であなたも今日から本の名探偵に! <『書誌学の回廊』改題作品>
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Posted by ブクログ
門外漢にとっては目ウロコ。書誌学がこんなに奥深く、興味深いものだとは思ってもみなかった。読んでゆくうちに、新たな世界が開けてくる。
日本古典の書誌学についての14講。リンボウ先生の専門だけに熱も入り、いつものエッセイとは違って、読者に話しかけるような講義風の文体。もとの単行本は『書誌学の回廊』というタイトルだった。内容的にはそちらのほうが的確かもしれない。
大学院生の時に斯道文庫の阿部隆一先生に私淑。書誌学の道にのめり込んでゆく。その時のエピソードも紹介されている。それがとてもいい。若々しくて、がむしゃらで、勢いがあって。本書はその阿部先生に捧げられている。
(迂闊にも、リンボウ先生の本を何冊か読んでいながら、お父上が林雄二郎、伯父上が林健太郎であることに気づかずにいた。リンボウという呼称が定着し、名字がハヤシだというのが頭になかったのかも。)