あらすじ
★真相究明どころか
追及からの〝隠れ蓑〟⁉
不祥事を起こした企業や行政組織が、外部の専門家に委嘱して設置し、問題の全容解明、責任の所在の明確化を図るはずの「第三者委員会」。だが、真相究明どころか、実際は関係者が身の潔白を「証明」する‶禊のツール〟になっていることも少なくない。調査中は世間の追及から逃れる‶隠れ蓑〟になり、ほとぼりも冷めかけた頃に、たいして問題はなかった――と太鼓判を押すような報告書もあるのだ。第三者委員会を徹底分析する。
厚労省の毎月勤労統計
東京医大の入試差別
日大アメフト部の反則
朝日新聞の捏造
東芝の不適切会計
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
八田先生の本、一般向けも含めて初めて目を通すかも。
もう10年も前の内部統制実施基準ですが、ガバナンスコードなんかもできたし、財務報告に限らないものへ、バージョンアップしたりしないんだろうか。本家のCOSOがフレームワーク自体の改善に継続的に取り組んでいるわりに、日本って、研ぎ澄ましたり、練り直したりってのが苦手なんですかね。
それにしても、書籍自体は八田先生流の毒舌満載ですが、まあ言ってることはごもっともと言えるかな。どれでもよいので、元の調査委員会報告書と格付け委員会のコメントを読んでみるのをオススメします。
Posted by ブクログ
企業が不正等問題を起こした際に脊髄反射的に結成される第三者委員会の役割について警鐘を鳴らした本。仏作って魂入れずとは良く言ったものだが、調査機関たる第三者委員会が有効かつ透明性を持って問題の分析、解明にあたって欲しいと切に願わずにはいられない。
Posted by ブクログ
"(前略)第三者委員会といえば「何らかの形で法的な裏付けが与えられたもの」「当然のごとく調査能力を備えた組織」と思い込んでいる人が少なくない(略)。企業などの不祥事が発覚し、世間の非難にさらされたとき、救世主のようにやってきて「第三者」の名の下に調査報告書を公表していても、実は原因すらを究明できない委員会が多いということだ。(以下略)"pp220-221
紹介される実例を読むと、第三者委員会が企業の駆け込み寺として機能していることが良く分かる。本著には紹介されていないが、第三者委員会による報告書の一つに私の専門分野の物があるので、本著の内容を踏まえて一度読んでみたいと思う。