【感想・ネタバレ】パーマネント神喜劇(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
・はじめの一歩
・当たり屋
・トシ&シュン
・パーマネント神喜劇

万城目学の小説ってARみたいだよなあ。
普通の日常の中にポンと異物が登場する。
ホルモーや、鹿男や、しゅららぼんや…。
小さな神社に行ってみたら、そこに出たのはポケモンではなく神だった、という。

日本の神様って、元々はすごく人間臭い。
だから、ここに出て来る神様の、まあ器のちっちゃいことも、逆に「まさしく日本の神」なのかもしれない。
神様の直系の子孫であるところの天皇家にしたって、日本人の精神性の大本ではなく、日本人の食の安全と安定供給をつかさどるものだからね。
実に実に具体的かつ現実的なのが日本人のメンタルなのでしょう。

出世のために、取材中のフリーライター(神)に、いいところは大げさに、まずいところはカットしてもらうように、いちいち注文を付ける神様のセコさよ、ブラボー。

『トシ&シュン』は、これはもうあからさまに『杜子春』のオマージュだろうと思ったけど、まさかそういう展開?な。
そして大震災によって一世一代の危機に面する神様は、セコくて器のちっちゃい神様は、それでも人間のことを愛してくれていて、ありがたくてハグしたくなるくらい。(ひれ伏すほどではない)

そんな神様の様子をじっと観察して本に書いた、フリーライターの神様の名前が「ちはやふりー」には、激しく噴いた。
だって私もノンアルビールみたいって思ったもの。
万城目学の書く変さが、私にはめっぽう面白い。
忙しい毎日で凝り固まったものが、ほぐれていくような心地よさでございました。

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2021年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小心で小狡いのだけれども,最終的には決して人を見捨てない,愛すべきおっさんの神様のお話.物語はおっさんの神様の語りと,それにまつわる人々視点のストーリーで構成される.
「はじめの一歩」はじめの一歩にこだわる肇君のお話.実はみさきさんの掌の上.
「当たり屋」後任と思っていた神様に,貯めていた言霊の源を勝手に使われてしまってさあ大変.運をもらった当たり屋が最後にとった行動は・・・.
「トシ&シュン」これぞ縁結びの神としての矜持というお話

「パーマネント神喜劇」試すなんて大神様も,お人ではなくてお神(かな?)が悪い.

物語のはじめのうちは,神様の語りが読みにくく感じたのだけれども,読み進めるにつれて違和感なく面白く読めた.お気楽に,楽しく読める作品.

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2020年08月03日

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