あらすじ
ロバート・オウエンは単なるユートピア社会主義者ではなく、若くして自ら経営したニウ・ラナアックの紡績工場を舞台に、新しい労働の原理に基づく新天地を開拓した実践の人であり、産業革命期の風雲児であった。この自伝は彼が徒弟見習から身を起し名を遂げるまでの一生の記録であり、また労働運動史上のもっとも興味深い資料でもある。
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Posted by ブクログ
社会主義者というとマルクスやエンゲルスなどのイメージで革命家とか経済学者、哲学者のイメージがあるかもしれませんが、オーウェンは全く違います。彼は根っからの商人であり、実業家でした。
彼が自分の工場でなした改革は今でも評価されるほど人道的でした。
資本家はあまねく強欲であり、労働者を搾取する悪人だという考え方には明らかに収まりきらないものがオウエンにはあります。
この『オウエン自叙伝』ではそんなオウエンがなぜそのような思想に至るようになったのか、彼の原動力とは何だったのかを知ることができます。読めばきっと驚くこと間違いなしです
Posted by ブクログ
実験社会主義と称されるオーエンである。しかし、そこで行った会社の経営よりは、その工場労働者をどのように教育したかという教育の実践の方が顕著である。オーエン自体の自叙伝になっているせいか、ルソーのエミールやペスタロッチのようには教育分野では重視されていないが、しっかりとした教育書で、日本の教育にも大いに役立ったろうと思われ、山宣のような実践家にも参考になったことと思われる。
教員養成系大学の学生も産業と教育について、教科書だけでなくこうした実践の方が役立つと思われる。