【感想・ネタバレ】読書嫌いのための図書室案内のレビュー

あらすじ

読書が嫌いな高校二年生の荒坂浩二は、ひょんなことから廃刊久しい図書新聞の再刊を任される。本好き女子の藤生蛍とともに紙面に載せる読書感想文の執筆を依頼し始めた浩二だったが、同級生の八重樫、美術部の緑川先輩、生物の樋崎先生から、執筆と引き換えに不可解な条件を提示されてしまう。その理由を探る浩二と蛍はやがて、三人の秘めた想いや昔学校で起きた自殺事件に直面し……本をめぐる高校生たちの青春と秘密の物語

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ネタバレ

読書嫌いに読書案内ができるの!?
え!?どういうこと〜〜???!
と思って手に取った図書室案内の本。
エッセイのようなものかと思いきや、
ばりばりの小説、しかも少し重め。笑

どのキャラも立っていてすごくすき。
主人公の、共感覚。すごいな〜〜絵をみてみたかった。
そして、読書は普通に好きだけど、
生さんの深読みの解説がすごく面白いし、
荒坂くんがだんだんと本を好きになってくれるのが
本好きとしてはとても嬉しい!
藤生さんの、本の知識がすごすぎて尊敬!
内容的にもスッキリまとまっていて面白かった。

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2021年10月08日

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ネタバレ

本嫌いの主人公の心境が変化していく様子が本好きとして嬉しかった。本の読み方感じ取り方にも多様性があることを改めて気付かされた。人の感想が読めるこのアプリ、良い。

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2025年04月29日

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ネタバレ

あなたは何のために本を読むの?

ある理由で本を読むのが嫌いな荒坂は、楽そうと入った図書委員会で図書新聞の再刊を任されてしまう。一緒に仕事をするのは無類の読書好きである藤生。読書感想文を紙面に載せることにし、自分以外の人に感想文を書かせようとした荒坂だが、そう簡単にはいかなくて——。

森鷗外「舞姫」、ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」、安部公房「赤い繭」を絡めながら、感想文をお願いした相手の悩みや秘密を解き明かしていく。荒坂の読書嫌いの理由も途中で明らかになる。読者も一緒に散りばめられた謎を考えながら読むので、「そんなの本の読みすぎ」な推理をしてしまうかもしれない。自分はまんまと引っかかった。真相は考えていたようなドラマティックなものではなかったけど、すべてが伏線で最後に全部がつながるわけがない。まったくもって「そんなの本の読みすぎ」である。

読書嫌いにどのように読書を薦めるか。無理に読ませるのは悪手だろう。荒坂のように理由があるかもしれない。しかし作中で語られたように、読書は他人の人生や思考をトレースできて、それを読むことで自分と同じ考えや異なる考えを知り、将来自分に降りかかるであろう問題への対処法を学ぶことができる。そんなマニュアル的なこと以上に、様々な人生を追体験するのは面白い。そこに気付くのは、読書を楽しんでいる人の話を面白く聴ける体験ではないだろうか。読書感想文というのも面白いと思う。面白い読書感想文は、読書に誘う。荒坂がこの後もたくさん本を読むとは思わない。しかし折に触れて本に手を伸ばし、そして誰かとその本のことを語り合うだろう。それほど幸せな読書体験があるだろうか。

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2024年01月07日

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ネタバレ

☆お気に入りの文
「――荒坂君は、どうして人は本を読むんだと思いますか?」
唐突な問いかけに僕も足を止める。僕は通行人の邪魔にならないよう、道の端に寄りながら首を横に振った。わからない。
藤生は僕を見詰め、きっぱりとした口調で言った。「この世にある物語は、すべて予言の書になり得るからです」(P84 L16~P85 L3)

「書物の中でも特に物語に没頭するのはなぜだと思いますか?」
「え、面白い、から?」
僕自身はそうは思わないが、世間一般にはそうではないだろうか。しかし藤生は「そういう側面もありますが」と言って全面的に肯定しない。
「私は、幾通りもの経験をシミュレートできるからだと思っています」(p84 L8~12)

☆に対しての感想
普段は、大人しくて無口な藤生が本の話になると人が変わったかのように饒舌になるところが好き。能ある鷹は爪を隠す状態でカッコイイなと感じた。
樋崎先生の受け売りではあるけど、実際に起こり得る可能性があるからこそ、人の中で物語が生まれるんだなと考えた。

1つの物語で、誰かの生き方を経験することが出来る。読書はやっぱり、人生も心も豊かにしてくれる代表的なツールだと感じることが出来た。
だから、私は読書が好きだし、これからも続けていくと思う。

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2022年04月16日

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ネタバレ

本屋さんや出版社をフォローしているだけのTwitterで出版前からやたら評判がよかったので気になっておりました。
重くない物語が読みたいと思った時のチョイス。

読書嫌いの主人公が楽だろうからという理由で図書委員になるけれど、読書嫌いが理由で司書の先生に「図書新聞を作れ」と無茶ぶりされる。記事にするための読書感想文を通したミステリっぽい学園ものでした。
容易に一気読みできる面白さ。さわやかさ。

途中、主役の子をアマデウスかよ!と思ったのですが最後なんだそれチートっぽくね?みたいな感じでしたが、すっきり読めました。この二人のコンビでビブリオミステリ面白そう。

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2021年03月21日

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ネタバレ

荒坂浩二
白木台高校二年六組。図書委員。図書新聞の編集長に任命される。元美術部員。読書が嫌い。

河合
司書の先生。

藤生蛍
二年六組。本が好きな女子。荒坂と図書新聞を作る。

樋崎正人
生物の先生。読書感想文を依頼される。

緑川
美術部の先輩。美術部の元部長。

八重樫徹
荒坂のクラスメイト。坊主頭。卓球部。交換留学できているオーストラリア人の女の子に恋している。

田中
国語科の先生。

アリシア
オーストラリアから来た交換留学生。テニス部。

田渕
古典の先生。

黒崎
クラスメイト。藤生に古典のノートを押し付けている。。

柳井
一年生。生物部。

間宮朱里
荒坂の隣の席。

佐々木
間宮の前の席。

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2024年12月06日

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ネタバレ

荒坂が読書嫌いの平凡な男子生徒、と思いきや絵の才能があって、共感覚持ちなのは主人公補正でずるいw
一応日常の謎系学園ミステリ?

藤生さんの本語りが熱くて荒坂同様面白く聞き入ってしまった。
生物部の柳井君との読書方法の会話が好き。イメージは実写かアニメか。音読するかしないか。

メイン二人は恋愛の予感がしつつ、物語内ではくっつかない、というのもよかった。

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2023年05月09日

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ネタバレ

学園ビブリオミステリー?
途中、寄り道しすぎて時間がかかったけど無事読み終わった。

図書新聞の再刊を任命された、本が苦手な荒坂と、本好き女子の藤生。初めはコミュニケーションもままならないふたりだったが、紙面に載せる読書感想文を依頼した同級生、先輩、先生から交換条件を持ちかけられ、協力し合うように。
ちょっとした謎解きで先へ先へと読み進められ、取り上げられている「舞姫」や安部公房の「赤い繭」(古本で買ったら赤い繭のところだけに線がめっちゃ引いてあってギョッとした)に対する登場人物たちの解釈もいろいろあって面白かった。

改めて読書っていいなぁと。帯に書いてあるたくさんの書店員さんの言葉をみて思う。

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2022年02月03日

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ネタバレ

楽ができそうだからと選んだ図書委員会で、本嫌いの荒坂は、利用していない人を図書室に呼びたいという司書の先生から図書新聞の復刊を頼まれる。
同じクラスの図書委員の本好きな藤生と組んで、新聞へ掲載する感想文の執筆依頼を始めるが。
悪友の八重樫、美術部の森川先輩、生物の樋崎先生、感想文を書く代わりにそれぞれから与えられた難問とは。

M14が少しでも読書をしないかな、と読書が苦手な子ども向けおすすめ本で見つけた本書…。
いろいろ盛りだくさん過ぎて、サラっと読めるけど読書慣れしてないと混乱しそうな気も。
本の解釈から、人間関係、過去の事件まで。
1ヶ月くらいの期間に盛り込んだねえ。
それでも本が苦手な荒坂くんがだんだんと読書に前向きになっていくのが微笑ましい。
誰かの感想文が更に本を魅力的にしていくような。
自分の本の感想を読み返すとその時の自分が蘇るから、こうやってせっせと記録を残してる。
誰かの感想文を読むのって、とても楽しいこと!

「どうして人は本を読むんだと思いますか?
この世にある物語は、すべて予言の書になり得るからです。
幾通りもの経験をシュミレートできるからだと思ってます。
現実を安全に生きるための情報を、どれだけ与えてくれるか」

「一般庶民はね、小説を読んで初めて、自分以外の人間にも感情があることをしったんだよ」

「感想文を読むと、その人が本のどこにラインマーカーを引いたのかわかってしまいますよね。自分の心を晒す行為に近いように思えます」

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2021年09月07日

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