【感想・ネタバレ】燃えよ剣のレビュー

あらすじ

司馬遼太郎による国民的ベストセラー、映像化に合わせて待望の新装版刊行。

俺は今日から武士になる――。

佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。
武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、
幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。
京都守護職御預の名のもと、「新選組」を結成。
副長・土方は厳しい局中法度を定め、類のない苛烈な軍事集団を創り上げ、
池田屋事件などで、世にその名を轟かせていく――。
しかし、薩長同盟成立で、時流は一気に倒幕へ。
土方は最後まで激しく抵抗、夢と信念を貫き、江戸、会津、箱館へ向かう。

稀代の男の生涯を巧みな物語展開で描いた、傑作長編。

〈名著が一冊で読める、大変お得な決定版!〉

司馬さんによる「あとがき」、原田眞人監督による特別寄稿「そびえ立つ歴史的遺産『燃えよ剣』を映画化して」を収録。

※本書は、一九九八年九月に刊行されたノベルス判の新装版です。

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司馬遼太郎の名作中の名作であり、言わずもがな新撰組、土方歳三関連本としての代表作です。激動の時代に剣一筋に生きた土方の生き様はいつ読んでも熱いものを感じますし、50年以上前に書かれたとは思えない面白さもすごい。歴史マンガ好きはもちろん、名作すぎて、と未読の方もぜひ読んでほしい作品です。

そして私のおすすめポイントは...。
土方歳三がどうしても俳優の山本耕史で脳内再生されてしまうのです。(顔もめちゃめちゃ似てます!)
小説を読んでいるときに、登場人物の顔を実在する俳優さんを思い浮かべながら読んでしまうことはないでしょうか?私にとっては『燃えよ剣』がまさにそれなのです。もちろん大河ドラマの影響です。

映像化されている作品に関わらずキャストを想像したりすることも、読書の楽しみの1つだと思います。この本のキャラはこの人を思い浮かべてしまう、みたいな作品がきっと1つはあるはず。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

それまで日本になかった組織という新しい感覚を持って新選組という作品を作り、喧嘩師として薩長に最後まで抗い続けた土方歳三の一生を描いた歴史小説。
お雪はまさに作品のオアシス的な役割を果たしている。彼女が鬼の副長の心に安らぎを与えていた。西昭庵での束の間の休暇のシーンは強く印象に残っている。2人の儚い恋模様を切なくも情熱的に描く描写は流石の一言である。
幕末の京において歳三はただ一人、自分の美しさの為に戦い、最期まで節義を貫いて死んでゆく。滅びの美学の真髄はここにある。

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

土方歳三がひたすら格好良い小説なんだろうと思っていたら、良い意味で裏切られました。初っ端から女に走り(しかもなぜか高嶺の花狙い)、本気の喧嘩にお腹痛くなったり、遊んでるわりに本気のお付き合い苦手だったり、俳句のセンスが死んでたり。史実をもとに描いてるからもちろん完璧な人間ではないのだけれど、それにしても後半の「だんなさまって呼んで…」は困ります。読んでるこっちが恥ずかしいじゃあないか。

主人公は土方なのだけど(個人的に)いちばん良かったのは沖田総司で、沖田の人気は司馬遼が作ったんじゃないかと思うくらいのキャラクターでした。沖田が出てこないと、次の登場を探して頁を捲ってしまったり、沖田の文字を見るだけでちょっと心躍るようになってしまって。

いちばん笑ったのは
P188(あの頭のどんな場所を通ってこんなまずい句がうまれてくるのだろう)
…悪口やん。

P188「土方さんは可愛いなあ」
いや、可愛いのはお前だ沖田!

同志がどんどん変わっていく中、沖田だけは変わらない。飄々として やさしく くすくす笑っている。それでいて、強い。

P348「一番隊、私につづいて頂きます」

このセリフが格好良すぎてどうにもいけません。私も続きたい(重症)。沖田はたぶん土方さんの本質みたいなところが分かっていて、全部ひっくるめて大好きだったんだろうな、と。

周りに影響されてどんどん俗物っぽくなってしまう近藤に対して、"近藤勇という人としての価値"を見出し最大値まで引き上げようとする土方。武士を目指した同志とはいえ、理想の武士像は違う。袂を分かつシーンはぐっときてしまった。

土方の生き方は"理想を追う"そのもので、周囲がどうあれ信念が曲がらない。その癖、海外の最新技術を取り入れるような柔軟性も持ち合わせている。非情なようでいて、鬼のような人間であったかといえば、根っこの部分はそうでもない。大好きになりました。

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2025年03月24日

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