【感想・ネタバレ】燃えよ剣のレビュー

司馬遼太郎の名作中の名作であり、言わずもがな新撰組、土方歳三関連本としての代表作です。激動の時代に剣一筋に生きた土方の生き様はいつ読んでも熱いものを感じますし、50年以上前に書かれたとは思えない面白さもすごい。歴史マンガ好きはもちろん、名作すぎて、と未読の方もぜひ読んでほしい作品です。

そして私のおすすめポイントは...。
土方歳三がどうしても俳優の山本耕史で脳内再生されてしまうのです。(顔もめちゃめちゃ似てます!)
小説を読んでいるときに、登場人物の顔を実在する俳優さんを思い浮かべながら読んでしまうことはないでしょうか?私にとっては『燃えよ剣』がまさにそれなのです。もちろん大河ドラマの影響です。

映像化されている作品に関わらずキャストを想像したりすることも、読書の楽しみの1つだと思います。この本のキャラはこの人を思い浮かべてしまう、みたいな作品がきっと1つはあるはず。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月24日

土方歳三がひたすら格好良く描かれた小説なんだろうと思っていたら、良い意味で裏切られました。初っ端から女に走り(しかもなぜか高嶺の花狙い)、本気の喧嘩にお腹痛くなったり、遊んでるわりに本気のお付き合い苦手だったり、俳句のセンスが死んでたり。史実をもとに描いてるからもちろん完璧な人間ではないのだけれど、...続きを読むそれにしても後半の「だんなさまって呼んで…」は困ります。読んでるこっちが恥ずかしいじゃあないか。

主人公は土方歳三なのだけど(個人的に)いちばん良かったのは沖田総司で、沖田の人気は司馬遼が作ったんじゃないかと思うくらいのキャラクターでした。沖田が出てこないと、次の登場を探して頁を捲ってしまったり、沖田の文字を見るだけでちょっと心躍るようになってしまって。

いちばん笑ったのは
P188(あの頭のどんな場所を通ってこんなまずい句がうまれてくるのだろう)
…悪口やん。

P188「土方さんは可愛いなあ」
いや、可愛いのはお前だ沖田!

同志がどんどん変わっていく中、沖田だけは変わらない。飄々として やさしく くすくす笑っている。それでいて、強い。

P348「一番隊、私につづいて頂きます」

このセリフが格好良すぎてどうにもいけません。私も続きたい(重症)。
沖田はたぶん土方さんの本質みたいなところが分かっていて、全部ひっくるめて大好きだったんだろうな、と思いました。

周りに影響されてどんどん俗物っぽくなってしまう近藤に対して、"近藤勇という人としての価値"を見出し最大値まで引き上げようとする土方。武士を目指した同志とはいえ、理想の武士像は違う。袂を分かつシーンはぐっときてしまった。

土方の生き方は"理想を追う"そのもので、周囲がどうあれ信念が曲がらない。その癖、最新技術を取り入れるような柔軟性も持ち合わせている。非情なようでいて、鬼のような人間であったかといえば、根っこの部分はそうでもない。

いつか読んでみたいと思っていた「燃えよ剣」、表紙に惹かれて買いましたが、面白かったです!

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