あらすじ
人間と猫が対等に互いの「現状と未来」を語り合う。
2018年9月上旬、10歳の少年が首相官邸に送ったメールをきっかけに、K大学獣医学部「いぬねこ研究室」の猪狩一夫は、政府から猫の実情調査を任される。一夫と猫たちとの交流が深まるにつれて明らかになる、人間に対する猫の本当の気持ちとは。
感情タグBEST3
おもしろい! (含ネタバレ)
・猫は人間の言葉を話さないため、人間とコミュニケーションをするためには、教育が必要という考えらしいが、その教育がユニークだ!
・びっくりしたのは、箇条書きは出てくるし、クイズもあって、小説らしくないこと。
・テーマは猫と人間の共生で、猫が人間のどういうところに不満を感じているのかが語られる。安楽死の問題も出てくる。
・事実にファンタジーを織り交ぜながら詳しい説明があり、作者の解決策が示される。その是非は読者の判断に委ねられた形だ。私は、「あっ、そうなんだ⁈」と納得した。
・話の内容はわかりやすく、深刻なテーマを扱っていながら、ユーモアもある。最近、小説を読んで、こんなに笑ったことはなかった。10回以上は笑ったと思う。
・気になったのは、主要な登場人物が猫3頭(母子の「タマ」と「マリ」、学者猫の「ライト教授」)と人間4人(動物学者の「猪狩一夫」とその両親、上司の「逆井豊教授」)と少ないことで、「もっと多かったら、いいのに!」と思った。
・猫好きな人や猫を飼っている人は読んでみたら、自分の立場がはっきりするだろう。