あらすじ
悪用厳禁!
グーグルやEUで教えるインフォグラフィックスの世界的エキスパートが初公開!
不完全で不正確なデータの表示、誤解を招くパターンの提示、不確実性の隠蔽…
誤解させるグラフの手口を全網羅!
パイチャート、地図グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図・・・175個のグラフから読みとる気候変動、選挙報道、健康問題、映画興行収入まで、データの時代のだまされない基本知識をインプット!
SNS、マスメディアの両方で、視覚に訴える図表がますます多用されるようになっています。またネット社会において情報の真偽を見極めることの重要性は高まる一方で、フェイクニュース、ファクトチェックといった言葉が一般化するまでになりました。
本書は図表に潜む意図的な、あるいは意図しない「ウソ」を見破る方法についての、一般読者向けの解説書です。フェイクニュースの時代のタイムリーな内容と言えます。グラフと統計を正しく理解するのに必要な基礎知識を教える教科書的な面と、情報のリテラシーという今日的な問題に向き合う側面をコンパクトに兼ね備えています。
同様の主題についてはハンス・ロスリングらのベストセラー『ファクトフルネス』がありますが、本書はグラフという1つの軸を中心に展開するため、さらに具体的です。SNSなどで情報リテラシーを欠く発信が驚くほど増え、それが社会の分断にもつながっている昨今、冷静で科学的な視点を提供しています。
175点におよぶグラフで楽に読め、図表のテーマは政治、気候変動、健康問題から映画の興行収入、ハリケーン進路の予想図まで硬軟にわたる点も本書の魅力です。解説もカジュアルな文体で読みやすい内容になっています。
とはいえ、あくまで学識に基づいた内容であるため、企業等でグラフ作りに携わる人々や教育関係者向けの実用教材としても活用できます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門』の現代版的な位置付けか。
直近で『フィナンシャル・タイムズ式 図解の技術』を読んだばかりだが、こちらはお手本を示すという意味合いで
本書は他山の石を示すという意味合いで
どちらも役にたつ
Posted by ブクログ
読みやすくわかりやすい良書。豊富な事例から様々な注意すべき観点を丁寧に説明してくれる。用いている事例にアメリカ国内のものが多いため、大人が読む分には良いが子どもに紹介するなら事例を日本のものに変更した方が良い。参考となるサイトや書籍も紹介されており、役に立つ。
Posted by ブクログ
グラフは説得力がある分、適正に加工することで見やすくするだけでなく情報操作もできてしまう。
グラフを途中で区切ったり、サイズを変えたりするだけで効果が違う。物事の本質を見極めなければならない。
Posted by ブクログ
グラフで騙す方法の見破り方、問題点の解説は有用だったので、途中までは星5つのつもりで読んだが、最後の最後で減点した。
ジョージ・ブッシュ政権末期、米軍をイラク増派したことを題材にしているのだが、民主党支持者は当初反対していたものの、著者は増派後に反乱軍の攻撃が減ったことをグラフに示して、冷静な議論が必要だと指摘している。
いや、米軍が受ける攻撃、それによる米兵の被害が減ることが論点なのか。増派された米軍によって、イラク住民が受ける圧迫が増すかもしれないじゃないか。
増派で、イラク住民の不満が解消されて攻撃が減ったわけではないだろう。単に、不満を抑え込む圧力を増やしただけのことではないのか。そんなやり方では、米軍は増派を続けるしかなく、出口がなくなる。
実際、武力の連鎖、エスカレートは、ISILというとんでもないテロ勢力を生み出した。
論点を間違えたら、グラフが正しくて騙しがなかったとしても、間違えだという反面教師だった。
Posted by ブクログ
「データ可視化」の新書だったかは、視覚化の効能を我々日本人にとっても卑近な出来事から例証していたが
本書は可視化に潜む悪用の可能性について、事例としては広く、ビジュアルも豊富に述べられている。
翻訳調の書き筋が受け付けにくかったり、擬似相関などの衒学趣味を満たすものというよりは、デザイナー視点での確としたプロフェッショナルの視座からの指南となっており、筆者独自の面白みといった広がりはあまり見られないのが残念かもしれない。
Posted by ブクログ
グラフとはコミュニケーションツールであり、道具だ。使い方次第で気付きを与えることも、勘違いさせることもできる。
使い方を間違えない、そして間違えた使い方をされたことに気付くためには、やはり学習なのだと思った。
プロバイダ・印象操作によく使われるからこそ、先入観なく見れるように、常に疑問をもって見れるようになるのが大事だろうが、そもそも本書をわざわざ撰んで読んでいる人には良くわかっているだろう。
Posted by ブクログ
トランプのホワイトハウスが出したグラフのバイアスや、メジアンの考え方など、様々な事例を踏まえて、グラフに騙されないような処世術を知った。
仕事上で使うグラフも、ウソと言われないように注意したいが、全てのグラフをゼロメモリから並べると、メリハリがなくなるので、、、、悩ましい。