【感想・ネタバレ】北海タイムス物語(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

全国紙記者の夢破れた野々村巡洋が入社した、北海タイムス。配属された整理部は、他紙の4倍の仕事量にして7分の1の年収だった。変人だらけの職場。連日の酒席。過酷な労働環境に厳しすぎる先輩。失望に加え、恋の終わりすら味わった野々村だが、あることを契機にプロフェッショナルとなる覚悟を決める――。著者が身を置いた北海道の名門新聞社を舞台に描かれた、熱血度120%の長篇小説。(解説・北上次郎)

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Posted by ブクログ

周りの環境は一切変わらずとも自らの志のもち方ひとつで良くも悪くもなる。

本書で描かれるような労働者の志を当てにした企業経営が成り立たないことは、今の日本社会を見れば明らかである。

経営者は北海タイムスを決して参考にしてはならないが、労働者は野々村巡洋から見習うことがあるだろう。

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2020年01月02日

Posted by ブクログ

増田俊也さんの作品をほぼほぼ読んでいるが、これもまた面白い。
面白いというか、辛い。主人公がどんどん追い込まれていくいつもの流れ。
学生時代と違い、仕事の厳しさをイヤというほど味わう。味わいまくる。
何とか乗り越えていくのだが、応援せずにはいられない。
新聞業界の裏側も学べます。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

1990年本命ではなっかた北海タイムズに取り敢えずは
入社する事とした野々村。
2週間の研修の後、整理部に配属されることになる。
そこは、煙草の煙とパワハラの蔓延したタコ部屋の様な所だった。

いくら何でもやり過ぎ感満載のパワハラ状態に読み進めるのが気分が悪くなる程。
しかし、こんな状態でこの後一体どうなる?の思いを抱いて読み進めてしまった。

権藤のある決断から野々村は自分でも思いもよらない言葉を発する。
「僕に…僕に整理の技術を教えてくれませんか…」
そこから一気に物語は進み始める。

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2020年04月18日

Posted by ブクログ

『七帝柔道記』と同じく主人公の息苦しい熱感情がずうっと最後まで続くので
、こういうのが好きな人にはお勧め。読んでてカタルシスにはなるでしょう。新聞づくり・・「整理」(編集、紙面ぎめ)というのは確かに面白そうだし、見出しづけの訓練はロジカルシンキングのマストアイテムでもあるでしょう。

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2020年03月20日

Posted by ブクログ

増田俊也『北海タイムス物語』新潮文庫。

北海道の新聞社を舞台にした青春小説。今となっては懐かしさを感じる平成初期。世の中は今に比べると様々な面で縛りが緩く、ゆっくりと時間が過ぎていたと思う。

『北海タイムス』に入社した野々村巡洋が配属された整理部は過酷な仕事の割りに身入りが少なく、職場は変人だらけ。連夜の酒席に、先輩たちの洗礼、失恋を味わい、将来に不安を覚えた野々村はある覚悟を決める。

増田俊也の作品にしては並のレベルだろうか。

本体価格950円
★★★★

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2019年11月01日

Posted by ブクログ

通常の物差しでは、熱い青春小説の秀作だと思われるが、同じ作者の七帝柔道記が凄すぎるため、なんだか物足りないのである…

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2021年12月26日

Posted by ブクログ

気障男 獅子身中の虫 狸小路の西のはずれか… 砂を撒かれたら一発で倒産だ 金玉コース 本田勝一が若い頃いつも寝転がって本を読んでいた伝説のソファだ その人達への蔑称が「工場上がり」だった 空手の秋場あきば 朝毎読が北海道に上陸する前は道新とタイムスの部数は今ほど大きく離れてなかったらしいんだ 文章を書く腕力みたいなもの 白系ロシアのクウォーターなんだよ だから瞳が透き通ったグレイなのだ スタルヒン 大鵬 俺もアイヌと和人のハーフなんだ 知里幸恵ちりゆきえ くでん口伝だけでユーカラっていう叙事詩を代々若い者達に伝えていた とくとう禿頭 会社と手を携えるか 社員はずっと相克に苦しまなきゃいけない 校閲 君は商社マンのお父さんに伍したいだけで 美香保公園 ナナカマド アイヌ神謡集 活字→克司 かんかい感懐 千秋庵の山親爺 エゾチッチゼミ 地下から夕刊を刷る輪転機の音が響き始めていた

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2020年07月31日

Posted by ブクログ

著者初読み。
「120%お仕事小説」の帯に惹かれ、手に取った一冊。
舞台は平成になったばかりの北海道のローカル紙「北海タイムス」。解説によれば、実在した新聞社なのだそう。
そこに新卒で入社した野々村の成長を描いた作品。
他の方のレビューにもあったが、何故、今この時期に平成初期の新聞社を舞台にした、ブラック中もブラックな会社の小説なのだろう?とその疑問が真っ先に浮かぶ。
平成になったばかりの時代はバブル期でもあったが、実際に新卒の給料なんて、たかが知れたもの。それでも働く昭和の意地のようなものがあった時代だと思う。
そこに不満たらたらで働く野々村の姿は、ゆとり世代にしか思えず、読んでいて、違和感といら立ちが先立つ。
野々村の中の何が「自分こそが取材記者」「お金がなくてもタクシー通勤をやめられない」に結びつくのかも謎。
気持ちを入れ直すまでが長いし、ブラックな職場環境に救いもない。
ネット時代の現世に「昔は良かった」と言うことだけを伝えたかったのだろうか?
他の作品を読んでいないからなのか、作家さんの良さも分からず…
権藤の話がとっても魅力的だっただけに、そこに行きつくまでの過程がとても残念。

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2020年01月08日

Posted by ブクログ

がんばる若者社会人。目の前のことを地道にやれば達成感が得られたり、天敵のような先輩がふとしたきっかけで身近な存在になったりと、よくある内容と言えばよくある内容だが、読みやすい内容。
しかし、この内容の本を今の時勢で出すのは何故?となってしまった。これまでどおりの新聞は役目を終えつつあり、新聞記者が憧れの職業ということにはならないだろう。権力を監視しているか、と存在意義が書かれているものの、軽減税率にちゃっかり乗っかり、批判的な意見は一切展開しない新聞社にその役割があると思っている人間はほとんどいないだろう。極めつけは、生活苦になるレベルの長時間低賃金労働。昔ながらのご年配の方々向けの内容なのかしら。

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2019年11月18日

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