あらすじ
そして人民は幸せになったのか?
お金、不動産、食べ物、観光、IT、民族、格差
あまりにも急激な成長がもたらしたものとは……
90年代初頭から現代までの
変化をたどる渾身のルポ!
歴史に残るこの変化を、私はこの目で確かめたくてどうしようもなくなった。
GDP世界2位。十数億人が体験した経済成長を中国はどう果たしたのか。
90年代初頭、経済発展前の中国を訪れた著者が、今再び中国へ…。
発展前と後を比較する定点観測の旅の先に見たものとは?
【目次】
まえがき
01 開発 景色を一変させた数々のプロジェクト
02 食べ物 どれも美味しく、誰も飢えない理由
03 格差 「お金持ち」に遭遇。貧しい人たちに会いにいく
04 交通 すさまじい勢いで整備された交通網
05 お金 使ってみて実感したこの国の変貌
06 マナー 経済発展は人を行儀良くさせるのか
07 産業 世界をリードし始めた中国企業の技術力
08 不動産 急成長のカラクリ、その暗部
09 出版とIT 報道の自由と監視体制と
10 治安維持 経済成長を続けるための封じ込め
11 観光 激増する国内観光客と観光公害
12 民族 経済発展が国家との関係性をどう変えたのか
あとがき
参考文献
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ノンフィクション作家の西牟田靖さんが、現在の中国の「爆速成長」に迫った一冊。1991年当時大学生だった著者がバックパッカーとして訪れた中国と、GDP世界2位に成長した現代中国を再度訪問しての比較となるので、ここ30年の間に中国がどのように成長したかが一目でわかる内容となっている(他の本にはなかなかない新疆ウイグル自治区の話もある)。都市開発・食べ物・交通・不動産・出版・観光まで、広範囲のありとあらゆる分野の中国の成長を実感できる(過去・現在の写真満載で読みやすいのも◯)。
Posted by ブクログ
献本御礼。
1990年代末期の中国を旅した筆者が、現在の中国各所を訪ね歩く旅行記。
深センでは「メイカーズのエコシステム」も参照されてるほか、様々な自分の行ったことない地域が見れて面白く読めた。
無理矢理ドラマやストーリーをこじつけたり、トンデモネタをひねり出す演出ではなく、事実をメインに、自分の感想を正直に付加する書き方なので、読んでいて気持ちいいし、参考になる。ポジティブな面もネガティブな面も事実をベースにわかりやすく記述されている。
「中国の変化」や「中国の現在」みたいな本で、そういうスタンスの本はけっこう少ない。「自分が言いたいことを言うために、断片的な事実をこじつける」みたいな本の方が圧倒的に多い。言いたいことを言うのはいいけど、それを「中国情報」として提供するのは不誠実だと思う。(少なくとも僕は好きじゃない。布教活動は布教活動としてやればいいと思う)
なので、範囲が広くてスタンスが誠実なこの本は、とてもありがたい本だった