あらすじ
弁護士・海棠忍は、しがない法律事務所で依頼に振り回される日々を送っている。
最大の悩みは、自らが後見人をつとめる十五歳の少女、黒澤瑞葉。
ずば抜けて聡明なのだが、事務所に入り浸って事件に首を突っ込もうとするのだ。
ある日、小学6年生の杉浦涼太が事務所を訪れ、三年前に事故死した祖父の遺品を取り戻してほしいと依頼する。
幼い記憶ではあるが、祖父は最も大切にしていた黒猫の絵を「自分が死んだら涼太に贈る」と約束していたはずで――?
【登場人物】
▼海棠忍:町の小さな法律事務所の主。目下の悩みは、自らが後見を務める少女・瑞葉が依頼に首を突っ込みたがること。数年前まで大手事務所で熱意ある仕事をしていたようだが……。
▼黒澤瑞葉:高名な推理小説作家の娘。十五歳にして大人顔負けの知識を持ち、高校入学を拒否する。事件に興味深々だが、事務所に出入りする理由は他にもあるようだ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
法律を勉強したことがあるならお馴染みの「カフェー丸玉事件」の説明をキャラ小説で目にするとは!懐かしい!作品の軸となる事件以外に通常業務でこなす細々した案件も興味深く楽しめた。シリーズ続くといいな…。
Posted by ブクログ
法律などの専門的な話を(どちらかというと判例か)難しくなりすぎず分かりやすく解説していたのは凄いなと思った。
有名どころの判例も交えて弁護士としての行動を定めていくのはなかなか面倒そうではあったけれど。
流石ひねくれ弁護士。
もっと感情を優先させてもいいだろうに。
小難しい話になりそうなところを、キャラクターノベルらしく活き活きしたキャラクターたちが動かしていくので、とっつきにくさはなく読みやすかった。
事件の方も消えた絵画の話が割とあっさり終わったと思いきや、まさかの二段構えで驚く。
亡くなった人の遺言にも近い発言から、解決したと思われた事件がひっくり返るとは。
しかも、不審者の話も関わってきて、ヒロインの女の子に命の危機。
これにはまた別種で驚く展開が待っていましたが。
後半のこの様々な所からのどんでん返しは見物。
キャラノベとしてもミステリとしてもよかった。
大賞受賞作、看板に偽りなしか。
Posted by ブクログ
著者初読み。
もうちょっと人物が細かく描かれていればとか思うところは幾つかあるけど、思いのほか(失礼!)楽しめました。
本当に何も知らず「なんとなく」手に取りましたが、もしかしたらお気に入りの作家さんになるかもという期待感も。