あらすじ
人工超知能(Aartificial Super Intelligence )が、人類を滅ぼす。
その時が迫っている――
世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部突破
ベストセラー・シリーズ最新作!
★巻末には「別エンディング」を特別収録!
人類に福音をもたらすために開発された超AI〈イヴ〉。
それが、魔女狩りの時代から生き残る組織によって盗まれた。
目的は、大規模なサイバー攻撃――
AIが救済を求めたのは〈シグマフォース〉。
チームはただちに作戦行動に移るが、メンバーが何者かに誘拐される事態が発生していた……
魔女の存在は信じないが、彼らは実在する。
――ガリシア地方の古い諺
十分な発達を遂げた科学技術はどれも、魔法と区別がつかない。
――アーサー・C・クラーク
我々は人工知能で悪魔を呼び出している。
――イーロン・マスク
〈あらすじ〉
サイバー攻撃でパリは焼け野原と化したが、グレイやマラ、「イヴ」の活躍で最悪の事態は回避できた。
そんなグレイのもとに、モンクがシグマを裏切ったという衝撃の知らせが届く。
ショックを受けつつも、グレイたちはクルシブルの「邪悪なイヴ」によるさらなる災厄を阻止するため、敵の拠点に乗り込む。
一方、アメリカでは拉致された三人の行方の捜索のため、昏睡状態のキャットから手がかりを得ようと懸命の治療が続いていた。
セイチャンもおなかの中の子供と、モンクの二人の娘を守るため、宿敵と対峙することになる。
クルシブルが世界に放とうとする「邪悪なイヴ」と対抗するためには、マラの「イヴ」だけが頼りだ。
世界のために、愛する者たちのために、グレイとモンクたちは勝利を手にできるのか?
◆歴史的事実から──歴史上で最も血塗られた本『魔女に与える鉄槌』
一六九二年二月から一六九三年五月にかけて、マサチューセッツ植民地の住民二十人(そのうち十四人は女性)が、妖術に手を染めたとして告発され、裁判にかけられ死刑に処された。
悪名高きセイラム魔女裁判である。
ヨーロッパでは迫害が三世紀近く続き、合計で六万人以上の「魔女たち」が、命を絶たれた。
こうした流血と死は十五世紀に突然巻き起こったのだが、そのきっかけは一冊の書――魔女狩りを行なう者のための手引き書『魔女に与える鉄槌』の出版にあるとされる。
一四八七年にドイツのカトリックの司祭ハインリヒ・クラーマーによって出版されたこの本は、発明されて間もない印刷機によってすぐに多くの部数が印刷され、ヨーロッパ各地、さらにはアメリカ大陸にまで広まった。
やがて同書は異端審問官が魔女の特定、拷問、処刑をするうえで欠かすことのできない「バイブル」となり、特に女性の異教徒の弾圧にその重点が置かれた。
多くの学者は『魔女に与える鉄槌』を歴史上で最も血塗られた本の一冊だと見なしており、アドルフ・ヒトラーの『我が闘争』に匹敵するとの意見もある。
著者について
ジェームズ・ロリンズ James Rollins
1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。
以後、『ナチの亡霊』『スミソニアンの王冠』などを経て、2020年3月にアメリカで刊行された ●The Last Odyssey●〈*イタリック〉に至るまで、シリーズは十四作(『ウバールの悪魔』も含めると十五作)を数える。
歴史的事実に基づきつつ、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。
「シグマフォース・シリーズ」から派生した、元兵士のタッカー・ウェインと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)は、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人はどこまで行くのだろう。未来に思いをはせた物語を様々な表現で見聞きするたびに思うこと。
道を進む先に何を求めるのだろう。何を目指すのだろう。その道の先が幸せに満ちていると思いたい。
分かれ道を選んでいく先が暗闇では無いように祈るばかり
Posted by ブクログ
今回のテーマはAI。AIの描写はあたかも人間の感情を学習し理解しているかのごとく表現している。私は、AI描写があるたびに小説の世界から現実の世界に振り戻されてしまった。しっくりこない違和感を感じてしまうから。ゼロとイチのデータ処理能力は優れていても、人間の感情についての理解を深めていくことが本当にできるのだろうか?という疑問がついつい浮かび、冷めた目で見てしまう。
巻末にいつものように著者が参考にした文献を紹介してくれている。
次に読んでみたい書物を上げておく
・ジェイムズ・バラット著 人工知能 人類最悪にして最後の発明 (日本語) 出版社: ダイヤモンド社 (2015/6/19)
翻訳出版されているものがあまりないので、気になる文献を書いている人をメモしておく。
閉じ込め症候群の患者との意思疎通
・エイドリアン・オーウェン著 First contact
時間旅行と量子力学
・クララ・モスコウィッツ著 Weird! Quantum Entanglement Can Reach into the Past
・ロバート・トーレス著 (過去にメッセージを送る) Is Communication from the Future Already Here?
ロコのバジリスク
・デイヴィッド・アウエルバッハ著 The Most Terrifying Thought Experiment of All Time
本書には、DVDの特典のような「もう一つのエンディング」が用意してあった。どちらのエンディングもありだと思った。
Posted by ブクログ
シリーズ14作目。今回のテーマはAI。いつもながら作者の知識の広さ、視点の深さに驚かされる。キャットが最後蘇生するのはそうだろうなと思いつつ、やり過ぎ感はあるが。AIとモンクの義手がシンクロするところなどは近未来はこういう風になるのだろうなと思う。いつもながら題材としての宗教、政治、テクノロジーの組み合わせが上手い。いつの時代でもテクノロジーは諸刃の剣、どういう者が、どういう目的に使うかによって、人類は不幸にするのか、幸せにするのか、最後はテクノロジーを産む者に回帰するのだろう。