【感想・ネタバレ】TENGUのレビュー

あらすじ

中央通信の道平記者は26年前に群馬の寒村を襲った連続殺人事件の捜査資料と対面し、再び動き出す。凄惨きわまりない他殺体の写真と唯一の物証である犯人の体毛。当時なかったDNA鑑定を行なうと意外な事実が……。天狗伝説の真相とは!? 70年代の世界情勢が絡む壮大なスケールで、圧倒的評価を得て大藪春彦賞に輝いた不朽の名作が双葉文庫で蘇る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『WOLF』(柴田哲孝)に引き続き気になった『TENGU』。

作品紹介であらすじを知った時に読もうと思ってから1年経ってようやく読み終えた…。

壮大なスケールのお話の中で感じた内容は以下7点。

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❶DNA鑑定、解析
過去に読んだ『DNA鑑定 犯罪捜査から新種発見、日本人の起源まで』(梅津和夫)の振り返りキッカケになりました。

犯人特定、親から子への遺伝、食品偽装、遺伝性疾患、薬の効き具合、ガンの罹りやすさ、寿命の長さ、死亡年代、遺族と犠牲者照合………奥深すぎてだんだんわからなくなってきた笑

もう一度読み直す必要ありそうだなー。

❷記者
小説になると、頭に情景が浮かびやすいので、「こんな風に仕事してるんだなー」って思える。

人についての事を調べるには相当の気力、体力がいる事がわかってくる。

❸マタギ
猟隊としてのマタギが登場する物語を読んだのは今回が初めてだった。

だいたい『ゴールデンカムイ』(野田サトル)みたいに「過去にマタギとして暮らしていた」っていうキャラクター設定や、猟隊といっても2人までの話を読むくらい。

事例としてなら、『森の教え、海の教え』(芦原伸)や『人を襲うクマ』(羽根田治)で読んだ事があったから、その復習になりました。

こういう思い返しをして、本と本が繋がる感じが面白い。

話は変わって、

「行方不明になると、保険が出ない」という話が出た時には、

登山をする時にちゃんとココヘリ端末付けていこうと改めて思いましたね…。

❹盲目
今回のお話読んで、『太陽と月の鋼』(松浦だるま)や『犬王』(湯浅政明)を思い出して思ったのは、

彼らの扱われた背景のひどさね……。

毎回切なくなるわ。

❺ベトナム戦争
この戦争について知っていたのは沢田教一さんの「川を渡る親子」の写真と、泥沼化したというあくまで聞いた結果だけ。

概要を本書で知る事になって、読後何て言ったらいいかわからなくなってます。

❻アイスマン
キノコの本がキッカケで読んだ 『アイスマン―5000年前からきた男 』(デイビッド・ゲッツ)以来に、アイスマンの話を読みました。

この本では自然な流れで昔の人が亡くなって氷漬けにされたものを見るお話だったけど、今回は人為的なもので「こんな事も実際にあったのか!?」と驚いてます。

まさかキノコからこんな壮大な旅になるとは思いもせなんだ。

❼人権
「君はオランウータンの人権を認めるかね」の一言から始まるお話を読んでいる間、頭にはずっと『ゴリラ裁判の日』(須藤古都離)があったなぁ。

ボーマンがやった事はわけわかんないし正直気持ち悪いと思う。

けど、生まれてきた子には何の罪もないし、「暮らしていくためにはどうすればいいか」の先に人権問題が関わってくるならば、

私は「彼は人間だ」って言いたいな。

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………とまぁ、いろいろボリュームのある一冊で、読み終えた感がめちゃくちゃありました。

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作(?)のKAPPAがオチが読めてしまい微妙だったのであまり期待していなかったのだが、面白い。
今作の方が犯人の正体不明感、怪物感が強く、
作中の目撃証言から早い段階から「おかしくなった黒人の囚人なんじゃ?」と疑っていたが、犯行の人間離れした暴力的すぎる様子や(途中で得られる)DNA鑑定の結果が推測と合わず、なんらかのミスリードを予感させられ、ワクワクしながら読み進められた。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

久々に面白かったなぁ。
なんていうか人間、種、化物みたいなカテゴリーの小説は結構想像力を掻き立てられてわくわくする。
フィクションなのか本当に実在するのか、、、
今日も妄想が捗るのである。
あと彩恵子が美しい。

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2020年06月13日

Posted by ブクログ

作者の柴田さんのハードボイルドな感じがすごく好き。小物にこだわるところがツボです。
今作はとても壮大なストーリー。人類の歴史に繋がる物語でした。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

群馬のとある村で起こった未解決の連続殺人事件を軸に物語が進む。
ミステリー、SF、社会、恋愛。
色々な表情が見られてとても楽しめた一冊。

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2020年04月11日

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