あらすじ
気鋭の火山学者・及川輝樹氏がわかりやすく解説します。
御嶽山噴火以来、活動的火山特別措置法が改正され、
安全対策などが都道府県に義務づけられました。
噴火災害など火山といえばネガティブなイメージをもちがちですが、
実は火山はこの国土にはかりしれない恵みをもたらす存在であるのです。
火山を取り巻く現状を踏まえ、火山というフィールドをどう楽しむか。
気鋭の火山学者・及川輝樹氏がわかりやすく解説します。
【第1章 日本の山のほとんどは火山】
あなたの登る山も火山/火山はどうして噴火する?泡の力/噴火の種類/活火山とは?/あの山もこの山も火山と関係 ほか
【第2章 火山に登る楽しみ】
噴火の痕跡を楽しむ/火口を楽しむ/展望、温泉、生きている火山/火山登山と地形ほか
【第3章 火山に安全に登るには】
火山の登山は危ない?/それでも備える。事前準備が大切/火山に登る際の事前調査/火山の警報/
特別な装備はいらない でもヘルメットはあったら良い/万が一噴火に遭遇してしまったら/退避壕(シェルター)は万能?/怖い火山ガスほか
コラム 2011年大震災以降、噴火は増えていない
【第4章 火山学者の視点で火山を歩く】
《蔵王火山》最長の山脈の上にある火山/長く大きな蔵王火山/なぞのロバの耳/いわゆる馬の背“カルデラ”/火口湖御釜 東北有数の噴火記録の残る火口
《八ヶ岳》高く長大な山稜をなる火山/古い南八ヶ岳と新しい北八ヶ岳/かつて日本の最高峰/平安時代の大崩壊/活火山でもある八ヶ岳 北横岳/小さな火口 地獄谷
《霧ヶ峰・美ヶ原》本当の高原を作る火山/追分地溝/鉄平石
《北アルプスの火山》火山のあるアルプス/火山活動とともに隆起する北アルプス/多段階に成長する火山/白馬大池火山/立山(弥陀ヶ原)火山/上の廊下から雲ノ平周辺の火山/乗鞍火山
《焼岳》上高地を生んだ焼岳/梓川の変遷/今だって氷河期/上高地にしか生き残れなかった化粧柳/北アルプスで一番活発な火山 焼岳/明治・昭和初期の噴火/謎だった大正池の噴火ほか/ミニガイド 焼岳に登ってみよう
《御嶽山》長く複雑な歴史/実は活発 御嶽山/ここ数百年も噴気活動は続く/1979年噴火と2014年噴火
《霧島山》加久藤カルデラ/活火山としての霧島山/韓国岳のミヤマキリシマの謎
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本は複数のプレートの境界上に位置しており、火山大国。
多種多様な自然、温泉、火山災害など良くも悪くもその影響を受けている。
以下備忘録:
本書執筆時の日本の活火山は111。活火山の定義は完新世(約1万年以内)に活動した火山。火山フロントに集中的に分布。
年平均5火山が噴火。登山をしていて噴火に直面する可能性は限りなく低い。
火成岩は地下深くでゆっくり冷え固まった深成岩と地表で速く固まった火山岩がある。深成岩は斑レイ岩、閃緑岩、花崗岩。火山岩は斑晶と石基を伴うまだら模様、玄武岩、安山岩、デイサイト、流紋岩。玄武岩はSiO2が少ない。SiO2が多いほど粘性高い。
美ヶ原、雲の平もかつては火山だった。
上高地は焼岳の噴火によって生まれた。
標高の高い活火山は富士山、御嶽山、乗鞍岳、白山と続く。
Posted by ブクログ
日本での登山は、意識しようがしまいが火山との付き合いになります。
そんな火山への登山の前に読んでおきたい本。
記憶に新しい御嶽山だけではなく、八ヶ岳なども。
早く御嶽山に登りに行きたい。
霧島も。
Posted by ブクログ
プレートの境界に位置する日本には、火山が多い。
本書は、火山学者が火山(主に日本)について、その生成過程から、でき方の違い、火山によって生み出される自然、景観、温泉、そして生き物の生態まで網羅的に解説する。
そして、さらに安全に火山への登山を楽しむためのノウハウまで書かれている。
日本百名山の中には、51の火山が含まれ、うち33が活火山である。
日本で登山を楽しむには、火山を学び、安全に楽しむ知識を身につけることが必要条件だと思う。
私は登山はしないんだけど、いろいろな火山の成り立ちをみていくと、ブラタモリを見ている楽しさを思い出す。
あとは、実地で岩を見て歩くしかないかな。