【感想・ネタバレ】民主主義は終わるのか 瀬戸際に立つ日本のレビュー

あらすじ

政府与党が強大化し、政権の暴走が続いている。政治家や官僚は劣化し、従来の政治の常識が次々と覆されている。対する野党の力は弱く、国会も役割を見失ったままだ。市民的自由への抑圧も強まっている。なぜ日本政治はここまで堕ちてしまったのか。内側から崩れゆく日本の民主主義を立て直す道はどこにあるのか。警世の書。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

政治関係の著書を読む場合、著者がどの立場にいる人かをあらかじめ知った上で読む必要がある。

この人は長年民主党のブレーンとして活動してきた人で、現自民政権に批判的な立場であることは容易に想像できる。

それを踏まえた上で読んでも、決して盲目的な自民党批判ではなく論理的に、要所をとらえて批判している。

安倍総理が国会答弁等において言葉を崩壊させているというのはまさにその通りで、問われていることに対しわざと論点を外した受け答えをしたり、空虚で実のない言葉を羅列したりということを繰り返している。

著書では、行政府に権力が集中し、三権分立のバランスが崩れている状況を踏まえた上で、今後の提言もまとめている。いずれもおっしゃる通りなのだが、言うは易し行うは難しである。

ここからは著書とは関係ない個人的な見解だが、このコロナ禍においても行政府はやりたい放題の政策で国民を愚弄し続けており、それに対して国民は「国会議員は国民のために働くべきなのに自分たちの利益ばかり考えている」とSNSあたりで言い続けている。しかし、そもそも国会議員が国民のために働くことが当たり前という幻想を抱いていること自体がナンセンスだと私は思っている。

現代の日本人は「民主主義は生まれたときから当たり前のように存在する」ものであり、それがかつて民衆が血や汗を流して勝ち取った権利であることに無自覚である。なので、国民は当たり前に基本的人権を有し、そのために国会議員が奉仕すべきだ、などという幻想を抱いてしまう。しかし、国民が当たり前に基本的人権を有し、国民の代表である国会議員がそれを実現するために動くようにするためには、そのための仕組みを国民の努力で維持していく必要がある。今のように国民が政治に無関心で、受動的な立場を続けていれば、政治家はそれに味をしめて、自分たちの有利な方へ仕組みを変えていくに決まっているのだ。

もし、民主主義を保ちたいのであれば、もっともっと自分たちの暮らしにおける政治との関わり方に関心を持ち、政治家の行動に目を光らせて、それを選挙や世論という形で大きく反映させる必要がある。「自分たちは政治とかは難しいからよくわからないので好きなことだけやる、でも政治家は自分たちのために行動してほしい」なんて虫のいい話はないのである。

そういう意味で、こういう本を多くの人が関心を持って読んでほしいものだと切に願う。

0
2020年08月12日

ネタバレ 購入済み

民主主義をあきらめてはいけない

日本の民主主義の現状がよくわかる本で、とても読みやすいです。
最後に今後の提言の記載がありますが、この部分をもう少し分量を割いて記載してもらいたかったです。

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2020年03月15日

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