あらすじ
孤独と貧困に負けることなく、けなげに生きてきた少女フェイス。17歳になり侯爵家のメイドとして働き始めるが、森で迷い途方に暮れていたところを不思議な青年ルークに助けられる。字を読むことも書くこともできなかったフェイスは、ルークに文字の手ほどきを受けながら、知らず知らずに愛に目覚めていく……身分違いゆえ禁じられた、ひたむきな純愛の行方は…!?
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Posted by ブクログ
表紙イラストは、ほんわかした雰囲気だけど、中身は思っていたより殺伐としていた気がする。
ある男女の復讐、執念が、結局は結ばれるはずのなかった身分違いの二人の結末を決めてしまったのが何とも皮肉。
人生、どこでどう転がるか予想できないものだ。
恋愛に関しては、フェイスよりルークの方が執念も未練も強く、諦めも悪く、最後の最後までどうなるのかとやきもき。
諦めると見せかけて、諦めない。
母親の悲劇を知っている分、徹頭徹尾フェイスの方が聞き分けが良く、身の程を知ってはいた。
彼女の本心が見えたのは、最後の最後だったなあ。
前述通り、人の想いの中でも「執念」というのを其処此処に感じた物語。
二人の恋も勿論、復讐をしようとした男女の件もそう。
そして、キーパーソンになる家庭教師や祖母など、出てくる人物それぞれがそれぞれの強い執念を抱えている。
その執念が絡み合って混沌としていた中、よくぞあの結末に辿り着いたと、主役二人を素直に褒め称えたい。