あらすじ
クリスティーズは世界二大オークション・ハウスのひとつ。その日本法人の社長である著者は、長年東洋美術部門インターナショナル・ディレクターをつとめ、日本美術のスペシャリストとして多くの美術品と出会い、オークションを通じて、作品の橋渡しをしてきた。本書は、オークションを取り巻く個性あふれる関係者、セールでの駆け引きはもちろん、美術品との数奇な出会い、真贋の見分け方、「歴史の一部」を預かるトップコレクター達の誇り、そして欧米でのオークション・ハウスと人々の関係等の逸話を紹介。そして日本美術への想いを通して、アートと共にある生活を提案し、美意識の磨き方とそれをビジネスや人生に活かす視点を示す。◆推薦◆○掛け値なしに、「面白い!」と断言できる本。美術館に飛んでいって、是非とも本物を見たい!という気持ちにさせられる。――平野啓一郎氏(小説家) ○美術とマネーは動的平衡。伝運慶作の仏像を日本古美術市場最高額でオークション取引成立させたのがこの著者。絶対に面白い本――福岡伸一氏・大推薦(『動的平衡』著者)
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Posted by ブクログ
茶道とは直接関係ないのですが、「目利き」が気になる人には良いヒントになるのではないかと思います。芸術としての茶の湯に興味がある人におすすめです。
Posted by ブクログ
クリスティーズの仕事や美術品への審美眼など、興味深く読むことができた。ビジネスに使えるかというのは美術を理解していないという意見は、山口周氏の本とも違う。
実体験の話が多く、日本の美術品が海外にあることの意義、審美眼の養い方など、非常に参考になる内容だった。価値がわかる人が、お金を出して購入するのが一番と思うし、身銭を切らない一役、予算を出せない団体は文句は言えないと感じた。
ただ、矢張り、仕舞う、嘗て、など、あえて読みにくくすることはないのではと、個人的には残念だった。著者のこだわりと思うが、単純な漢字の問題がとっつきにくくしていると、印象的だった。もったいないと思う。
Posted by ブクログ
トップコレクターたちの意識や心理、オークションの裏側、お父様による日本文化スパルタ教育エピソードなど、どんどん思わず読み進めてしまう面白さ。大好きな杉本博司さんの話も。ジャンル問わず一流のものをたくさん観て審美眼を鍛える話もあり、私の場合はただの趣味ではあるものの、子供とともにこれからもたくさんの素晴らしい作品に出会っていけたらと思えた一冊。アート好きは必読。
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たまにテレビのニュースで出てくるが、なじみのなかったオークションについてとても読みやすく教えてくれる。
人を見る眼はモノを見る眼、モノを見る眼は人を見る眼という言葉が、本を通して印象に残る。
美術館に行きたくなった!
Posted by ブクログ
オークションにおける値段のつけ方
相場、希少性、状態、来歴
や、美術館の来歴のストーリー
(行くべきところに落ち着く)
筆者の半生、オススメの日本美術の名品
など色々なエピソードと共に紹介してある。
別でも書いたが、値段を抑えるためだろうが、作品の写真が少ない上モノクロ。
かなり知ってる方だと思うが、三分の一はネットで検索しながら。
時間のある人向け。
Posted by ブクログ
オークションを取り巻くできごと、美術品との数奇な巡り合わせ、日本美術にまつわる思い、アートとの向き合い方について書かれていますが、エピソード満載でおもしろいです❗
(帯の文はなんか違うなと思いました)
Posted by ブクログ
オークション・ハウス「クリスティーズ」に勤める著者がみずからの体験を踏まえて、芸術のたのしみかたから美術品を取り巻く状況にまで説きおよんでいる本です。
アートとビジネスにまつわる問題についての著者の考えが語られている本を期待したのですが、ひとつのテーマについて深く掘り下げて論じたものではなく、オークションを中心にさまざまな話題がとりあげられており、エッセイに近いスタイルで書かれています。かならずしも最初に期待していたような内容ではなかったのですが、やはり著者自身の見聞にもとづく、美術品の数奇な来歴についての話や、アート・オークションにかかわる人びとの生態についての話はおもしろく読むことができました。
Posted by ブクログ
クリスティーズの社長の著書ということで、アート業界のお金の話なのかと思ったら、著者の回顧録的な内容で比較的軽い内容なので、肩透かしを喰らったというか、よく言えば気軽に読めた。
アートはやはり欧米の価値観で動いている。
だから特に欧米の美術史の文脈にのるかどうかが、作家そして作品の評価が決まってくる。
日本においては巨匠として今尚圧倒的な存在感を示している岡本太郎氏をはじめとする日本の作家が、世界では殆ど無名であるということが、それを如実に表している。
その中で現代アートの世界では、アニメやマンガなどのサブカルチャーをアートに取り込んだ作品で海外で高い評価を集める村上隆氏などは、その辺をしっかりと理解した上で作品を発表しており、日本の美術史上、希有な存在であると言える。
日本国内では賛否両論あるが、世界を視野に入れて危機感を持っての活動なのだから、勿論日本での評価など気にも留めてないのではないでしょうか。
昨今アートとビジネスを結びつける本が増えてきているが、コレクターが富裕層だということ以外は、どれもあまりピンとこない。
個人的に現代アートが好きで、好みは勿論あるが、自分の発想からは出てこないような作品を観るのは楽しいし、刺激を受ける。
また作家の考えや作品の説明を見聞きすると、作品の印象が変わってきたりするのも面白い。
そいう意味では、アートを通して物事を表層的に見ないで、文脈や歴史など多面的に見るようになった。
Posted by ブクログ
サザビーズやクリスティーズなどの「オークションハウス」って気になるけど、どんなところ?を知りたい人に!
でも、想像以上にいろんな役割を果たしているんだなぁ。
Posted by ブクログ
平野啓一郎さんがお勧めだったので読んでみる
「美意識」の値段というタイトルだったので、美的センスとか、作品のテーマの読み取り方、作品の評価の仕方ついての説明が書かれているのかと期待していたがそうではなかった。
作品の来歴が大切、オークションで落札価格が決まる経緯、作品がオークションに出される事情など、「教養がある人がいいと思うものがいいもの」「お金持ちがお金を出す作品がいい作品」な(著者は意図してない)やっかみを自分の気持ちに感じてしまう。
最後まで読むと、自分も美術館に行ってみようかな、部屋や事務所に何か飾ってみようかな、という気持ちにもなれる。
多分、読み返さない。