【感想・ネタバレ】一生モノのジャズ・ヴォーカル名盤500(小学館新書)のレビュー

あらすじ

究極の「ジャズ歌」名盤ガイド。

『ジャズ100年』シリーズ監修の後藤雅洋氏による「ジャズ・ヴォーカル」名盤紹介。『一生モノのジャズ名盤500』『厳選500ジャズ喫茶の名盤』(小学館)同様、ジャケット写真とわかりやすい解説に加え、主要アルバムを「歴史」や「スタイル」ではなく、「実際に聴いた感じ」(目覚めに聴きたい、気分を落ち着かせる時などの “シチュエーション” やウォーム、ハスキー、ソフトなどの “声質” )で分類して解説。また、「ポピュラー・シンガーが歌うジャズ」「20世紀のジャズ・ヴォーカル」など、幅広い視点でジャズ・ヴォーカルの楽しみ方を紹介していきます。難解な専門用語になじみのない初心者からジャズ通までをターゲットとした、ジャズ・ヴォーカル名盤のすべてがわかる1冊です。巻末に、著者インタビューと、アーチスト別索引、全アルバムデータを収録。

※この作品はカラー画像が含まれます。

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Posted by ブクログ

同じアーティストのアルバムが多い。エラ・フィッツジェラルドは16枚。サラ・ヴォーンは13枚。カーメン・マクレエは9枚。この3人は別格扱いとしても、クリス・コナーが9枚。アニタ・オデイが8枚。現代のヴォーカリストでも、ダイアナ・クラールは5枚、メロディ・ガルドーは3枚あるが、ヘイリー・ロレン、ソフィー・ミルマン、ヒラリー・コール、カレン・ソウサ、アレクシス・コールは1枚も載っていない。一人当たりの枚数を減らして、もっと多くのアーティストの盤を取り上げた方が、バラエティが豊かになり、より有用なガイドになっただろう。

前著の『一生モノのジャズ名盤500』(小学館、2010年)のときも思ったが、収録曲は掲載した方がわかりやすい。パーソネルは巻末に載っているが、やはり紹介されているページ内で一望できた方が便利だ。たとえば、中山康樹&村井康司との共著で出した『JAZZ“名盤”入門!』(宝島社、2006年)のように。あの本で紹介されていたアルバムは336枚だったが、たとえ全体の枚数は減ってもそのほうが、便利に使用できる。

それに解説文が短いのも物足りなく感じる。各章の最初の1枚だけは1ページを使って、長めの解説文になっているが、全アルバムでこれくらいの記述が欲しかった。

以上、ないものねだりの要望を挙げてみた。

本書のあとがきを読むと、こう書いてある。

本書はジャズに関心を持っているが (中略) 前に踏み出せない潜在ファンをジャズの世界に招待しようという狙い (中略) つまり普通の音楽ファンが聞いて楽しめることを第一に考えて選曲しました(p261)

このような方針なので、ジャズとは思えないようなアルバムも多数取り上げられている。AORの名盤中の名盤である、ドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」。ボサノヴァの名盤、アストラッド・ジルベルトの「おいしい水」。ほかにも、スティーリー・ダンの「彩(エイジャ)」や、スティーヴィー・ワンダーの「マイ・シェリー・アモール」など、一般的にはジャズと認識されていないが、ジャズという枠組みでも聴けると著者が考えるものが掲載されている。

やはり著者の意図したとおり、ジャズファンというよりは、ジャズを聴いてみようかなと思っている人たちに適した本となっているといえるだろう。

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2026年04月04日

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