あらすじ
伊藤詩織さん推薦!
「どんなに辛い過去の出来事も、伝えることで未来は変えられる」(本書帯コメントより)
「胸触っていい?」「抱きしめていい?」
テレビ朝日の女性記者に対する財務省幹部のセクシュアルハラスメント事件は、世間に大きな衝撃を与えた。しかし、この記者を自分と重ね合わせた女性たちがいた。声なき声をすくいあげ、社会に届けるジャーナリズムに携わってきた多くの女性記者たち。彼女たち自身が、声なき声の当事者だったのだ。
事件をきっかけに、2018年春に「メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)」が発足。100人超(19年末現在)の会員は、北海道から沖縄、海外在住者も含み、新聞・通信、放送、出版、ネットメディアなどで活動する(フリーランス含む)。
もう黙ることはしない――。
会員約30人の決意の告白、最近のセクハラ事件を取材した社会時評、そして主要メディアのセクハラ対策調査を、これからペンを持とうとする女性たちへ贈る。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読むのですら辛いのだから、当事者が受けた苦痛はどれほどのものだったのか
そして果たして声をあげていない被害者がどれだけいる/いたのかと考えると、教育の大事さと刑法の整備が全く足りていないこと、そして誰がそれを受け入れないのか。という視点もあわせて持ちたいと思う
Posted by ブクログ
「編集委員の横は女の子に」
まだ若かった頃、飲み会でそう言われ、自分が求められている立ち振る舞いをしなくちゃと努めていたことを思い出した。タイミングよくお酌をするのがすごく苦手で、にこにこ話をききながら、「いまどうすべき?」って自問する自分。求められていたのは私でなく、「女の子」でしかなかったのに、そんな空気をおかしいとも感じず、ただ、その場に必要とされた役割を演じることに必死だった。白書にもそんな場面が登場する。
私の中のジェンダー意識もこうやって鈍化していたんだと気付かされた。自分の人権を大切にできないと、他人の権利が侵されても気づくことすらできない。差別や被害をうけても、それは私のせいだ、そんなもんだと受け流すことがどれだけジャーナリストにとって命取りか、ちゃんと自覚しなきゃならないと思う。
Posted by ブクログ
もっと多くの人に本書を読んでほしい!
タイトルから「お気持ちフェミ」とか決めつけず、まずは読んで!老若男女問わず!
語り手はみんな女性です。でも、この問題に性別は関係ないはず。女性から男性や同性間でのセクハラもある。
誰もが被害者としての当事者たり得る。もちろん加害者にも。
被害者はどれほど心をえぐられ傷つき、その後の人生をめちゃくちゃにされてきたか。
刑法や起訴の手続きで、いかに加害者が守られていることか。いかに被害者バッシングが当たり前に横行してるか。
恐怖で思考停止、凍りついて動けない被害者を踏みにじるような、「同意があると思った」だの、「抵抗できない状態にはなかったので、加害者は無罪」だの、社会の生温かい加害者への「寛容」、私たちの世代で変えたい。
読んでいて苦しかったし、時間もかかった。これを読んでいたら、正直マスコミ目指してなかったと思う。
でも、入社する前に事実に向き合えてよかった。立ち上がった人たちがいる、後に続け!くじけるな!