【感想・ネタバレ】100年の価値をデザインする 「本物のクリエイティブ力」をどう磨くかのレビュー

あらすじ

フェラーリやマセラティをデザインし、近年は家具や食器、そして秋田新幹線やヤンマーの農機具のデザインまでを手がける、世界的な工業デザイナー・奥山清行氏。今でも世界中を飛び回りながら活動を続ける氏だが、自身がこのように活躍できている理由を、「日本人としてのセンスがあったから」だと断言する。では、その日本人のセンスとはどんなもので、それを引き出すためにはどうすればいいのか。それを説くのが本書である。まずは日本人としてのセンスとはどういうものかを再確認し、それを発揮するために「世界に一人で打って出る」意識を持つこと。その重要性を、自身やその他の数多くの事例で証明していく。「日本人は団体力が弱く、個人力が強い」など、今までの常識をことごとく覆していく。個人が世界で活躍するために、そして日本のものづくり復活のために、数多くの示唆を与えてくれる一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1.アメリカ人よりアメリカっぽいデザインを体得した話。R東京の馬場さんの話に通ずるところがあった。デザインは、体育会系だと。質を追うよりひたすら数を出せと言う。億劫がらずに体を動かせ、現場に行け、手を動かせと言う。

2.デザインは言葉
明確な方向性を簡潔な言葉で言語化し、共有することがデザイン。長い企画書を書いても、伝わらないものは伝わらない。

3.中規模生産を目指せ
ここが本書で一番心に残っている場面だ。
日本は大量生産と個別生産は得意だが、意外とこ200個作るノウハウを持つところが少ない。著者の夢は、日本に小規模生産を根付かせること。イタリアの有名ブランドは全てこの方法でつくっている。

4. イタリアもかつては大量生産に勤しんだ時期があった。しかしそれでは儲からなかったので、ブランド力とデザイン力を武器に高価格帯にシフトした。イギリスも同じように、それを真似した。

5. 世界最高のコンパクトカーヴィッツと、
BMWが再設計したニューミニ。
価格差は3倍。ヴィッツは利益が一台あたり3万円ほどという。著者は、その状況に嘆くのではなく悔しいという感情をあらわにする。

クリエイティブにあり続けることの秘訣として、
はじめての編集の最後にも書かれていた、歴史の中で自分がどういう文脈の上にいるかを理解することが大事だという。

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2014年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「モダン、シンプル、タイムレス」
 5年かけてつくり、10年売り続けるためには複雑ではもたない。
 たくさんの中から選ぶからいいものが出てくる。

「言葉でデザインする」
 言葉は考えを具現化する。
 言葉によるコンセプトを具現化する視覚的なものが追従する。

「ハレとケのデザイン」
 日本にはケのデザインがない。
 よそ行きの服装はいいが、普段着はダサくなる。
 その矛盾に気がつけば、日本全体のデザイン力が高まる。

「問題は単なる変化に過ぎない」 
 いまは、新しい産業革命と捕らえるべき。

「ブランド化の極意」 
 成功しているブランドは、具体的なライフスタイル全体を提案して訴求している。

「自分のつくっているものを使いなさい」
 現在危機にあるのはフェラーリ。設計者たちはフェラーリに乗っていない。
 圧倒的にお客さんのほうが情報量が多い。
 カーディーラーはコーディネイターとして「ものを語るな」と指示されている。
 この閉鎖的状況を打破しないと日本は沈んでしまう。

「片っ端から疑う」
 クリエイティブになるための第一歩は疑うこと。
 真似は借り物の文化。マネではなく、盗み、自分のものにする。

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2014年03月18日

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