あらすじ
「正義? ある程度までいくと、政治力でねじ曲がるやつのことか?」
金と人情にまつわる傑作人間ドラマ五編。2004年講談社文庫刊『銀行狐』の新装版。
銀行には金と秘密と謎がある。いや時には、「狐」から頭取宛てに恐ろしい脅迫状が届いたり、金庫室から老婆の頭部が見つかることも――怨みを買うことは日常茶飯事、となれば犯人像もまた多岐にわたる。動機は金の怨みか、憎しみか、悲しみか。日常に亀裂が走り、平凡な人間に魔が差すときを描いたミステリー短編集全五編。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
お金に翻弄される人々と銀行の闇がリアルに描かれています。先の気になるミステリアスな進行に惹きつけられました。最後はスッキリする展開でどの話も面白かった。大好き度❤️
Posted by ブクログ
銀行がテーマの短編5編。銀行用語が難しいところはあるが、銀行業務を知ることが出来る点で為になりつつ楽しめる。
個人的には、事件解決後の犯人とのやり取りとか、感情表現といった、最後のもう一押しがあればもっと楽しめた。銀行狐の加瀬の心情とか。解決と同時にスッと終わってしまうところがなんとも惜しい。
この辺のもう一押し欲しいところが、後の池井戸作品では存分に描き倒されていると思うと、他の作品を改めて読みたくなってきた。
Posted by ブクログ
池井戸潤さん作品。
表題作含む短編集。
池井戸潤さんの作品は半沢直樹、下町ロケット、、などなどちゃんと最後に弱者でも正義が勝つところが大好き
金融関係は苦手だけど、理解しきれてないかもしれないがわかりやすく書いてあって読みやすい
今作は銀行が絡むけど殺人事件だったりで、推理ものも好きだから面白く読めた。
Posted by ブクログ
銀行に関するミステリーの短編集。
「現金その場かぎり」が面白かった。
ミステリーとしても面白かったし、
銀行の文化を垣間見たような気がします。
Posted by ブクログ
短編集なので読みやすいが、やはり銀行という特殊な所なので融資とかについてはなんとなくで読んでいた。
最後の殺人のやつは非常に怖い。情報だけでなく生活のサイクルとかも分かっちゃったらどうしようもないよな…
Posted by ブクログ
銀行とミステリーをかけた短編もの。果つる底なきと似ている。一つ一つの短編に銀行と関連するミステリーがある。事件を最後の最後まで紐解いたものから、この後はどのようになったのか読者に考えさせるものまで様々な展開がある。ただ、展開がかなり専門的なこともあって自分にはちょっと難しかった。
ほかの小説で出ている人がサラッと出てくるところも良かった。
Posted by ブクログ
銀行に纏わる事件の短編集。
銀行の金庫室で見つかった老婆の遺体。
現金がなくなる、振込先間違い、銀行への脅迫。
元銀行員ならではのネタが満載。
銀行内での事件に止まらず、殺人事件にまで及び、警察を巻き込む場面も。
面白かった。
2023.4.4
Posted by ブクログ
池井戸潤初期作品(三作目)。
短篇五篇で、どれもサラッと読める。
敢えて言うと、最後の『ローンカウンター』が一番おもしろく、一番犯人に意外性があって、へー、気持ち悪、って感じだった。
Posted by ブクログ
銀行を舞台に様々な欲にまみれた人達を描いたミステリーです。池井戸さんの初期作ということで、ミステリー色の強い作品でした。
元銀行員ならではの知識が豊富に散りばめられていて、一般人には知らなかったことだらけでした。そういった知識も噛み砕いた表現で書かれているので、わかりやすいとまではいきませんが、なんとなく理解できました。
また、トリックも銀行員特有の仕掛けなので、実際にそのようなことが起きていたんじゃないかと思うくらい、生々しかったです。欲にまみれた人達の描写は、人間の腹黒さを惜しげもなくみている様で、良い意味でイラッとさせてくれました。
銀行員がメインだけでなく、警察をメインにしながらも銀行が絡む作品もあって、池井戸さんのまた違った味わいがありました。
短編が5篇収録していて、どれも程よくサクッとした収まり方でした。終わり方もスッキリと終わるのではなく、フェードアウトしていくような余韻の残る終わり方で、心地良かったです。
スカッとした作品ではありませんが、銀行員達の裏の顔を見たようで面白かったです。
Posted by ブクログ
安定の池井戸潤、という感じ。
さすが銀行の裏情報がしっかり描かれています。銀行員の観点から事件が紐解かれていく感じが面白い。よきエンターテインメントでした!
Posted by ブクログ
自粛中に。
初期の頃の短編集を。
現実世界がなかなかの現実的でない状況が続いているので、最近はまっていたビジネス本や、自己啓発本がまったくはいってこず…。
こんな時は池井戸潤しかないと。
裏切られることなく、現実を忘れる内容でした。
自粛中にはあとはどの作者がいいかなぁ~。