あらすじ
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おかあさんの手は、いつから魔法がつかえるようになったんだろう? おかあさんは、いつからおかあさんになったんだろう? 助産師の母と娘が、お月見のおだんごづくりを通して、手と心を重ね合わせる。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こどもにとったら親という存在はすべてで、とくにおかあさんの手は魔法のよう。
美味しいごはんを作ってくれて、くるくると器用に動く手はまほうの手。
小学校低学年の子から読めるまはら三桃さんの優しい本
Posted by ブクログ
講談社の「どうわがいっぱい」シリーズは、小学一年生から対象にした、初めてひとりで読むのにも適した、大きくて読みやすい文体と(少ない漢字は全て振り仮名つき)、物語の味わいを更に想像力で補ってくれる、絵の多さが特徴的です。
夕焼けの川原をおかあさんと一緒に帰りながら、今日あったことをとりとめも無く話したり、なぞなぞを出したりと、そんなささやかなやり取りに幸せを噛みしめている、女の子「みなみ」は、ある時、おかあさんの手に注目するようになります。
その、少しかさかさしていても、温かくて柔らかい手は、時には子どもにとって初めて見るような奇跡を起こしてくれることから、まるで魔法のような印象を持たせてくれますが、それはおかあさんに限らず、誰もが持つことができることをそっと教えてくれた、そんな魅力にこそ、実はおかあさんの懐の深さがあるのかもしれないと感じられました。
また、それと共に、おかあさんだって一人の人間なんだよということを、本書ならではの形で気付かせてくれたことには、まるで『おかあさん』という別の存在がそこにあるような、子どもを愛しく思うあまりに魔法がかかってしまった、そんな子どもへの思いに支えられて、ここまで来たことを実感させられた、おかあさんへのエールとも思えた展開に、子どもだけではなくおかあさんの心も、まるでお互いに手を繋いでいるような優しい温かさで満たされるようであり、それは終盤の、家よりも大きなすすきが二本、お互いに寄り添い合っている、長谷川義史さんの絵からも感じられた、親子の見えない絆の深さを、目に見えるものとして教えてくれたようにも思われました。
そして、すすきが登場したり、物語の大部分が母娘一緒に取り組む、素朴で楽しいお団子作りであったりということからも予想できるように、本書はお月見の時期に読むのが、ぴったりな内容なのですが、まはら三桃さんの「作者からみなさんへ」に書かれていた、『こんど、ぎゅっと さわって みてね』に込められた、おかあさんならではの手の素晴らしさに、改めて思いを馳せてみるのもいいのではないかと感じ、明日は母の日ということで読んでみました。