あらすじ
漢字は知恵の玉手箱! 「企鵝鳥」とは? 「育」「正」は何の形? 人名漢字、異体字、国字など、やっぱり漢字は面白い!
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Posted by ブクログ
いつか廃止するけど、当面使うだけのつもりで決められた「当用漢字」のこととか、「邁進」はなぜしんにょうが「邁」と「進」では違うのかなど知らない話がたくさん。面白かった。
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「外国人のための漢字入門」ではなく、「日本人のための漢字入門」というタイトル。日本人である我々は、日常的に漢字を読み書きしている。そんな我々の入門書?いったい漢字の何に入門するのだろう?
読んで見て、日常的に使っている漢字のことについて、何でも知っていると思っているのは大間違いで、ほとんど何も知らないで使っているのだということが分かった。従って「入門書」というタイトルは間違いではない。
漢字にもっと関心をもつことで、地名や人名など、旅行や出会いなどで新たな発見があるかもしれない。本書の中にも、「旅先で出会う漢字」などの章が設けられている。
読後、最大の「へ~」は、次の3つの熟語の表記について。
「邁進」
「進退」
「邂逅」
いずれも「シンニョウ」の文字ばかりの熟語だ。
本書を読むまでは、老眼の私には死ぬまで気づかなかったかもしれないが、「邁進」は二点シンニョウと一点シンニョウの組み合わせ、「進退」はいずれも一点シンニョウ、「邂逅」はいずれも二点シンニョウだという。
思わずスマホで変換してみたが、確かに間違いない。
確かに、二点シンニョウにはこれまでも遭遇したことがある。本書の著者の名前にも含まれている。しかし、どうして二種類のシンニョウが存在するのかまでは突っ込んで考えたことはなかった。
そのからくりは、敗戦後のGHQの施策に起因していることを初めて知ったが、そもそも日本の漢字に、GHQの統制が影響していたなどということも初めて知って驚いた。いかに、自国語に無関心だったかということだ。
「当用漢字」「常用漢字」という言葉は、何度と見聞きした覚えがあるが、その意味の確認をずっと素通りしてきた。
日本人は敗戦後「漢字を使わないように」規制されたが、その時に急では混乱を招くからという理由で、「当面用いてもよい漢字」としてたった1850種類の漢字だけが許された。「当面用いてよい漢字」=「当用漢字」である。
その後、昭和56年に「当用漢字」(制限)がやっと廃止され、「当用漢字」として定められていたものも含めて、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すもの」としての「常用漢字」1945種類が定められた。
このとき、「当用漢字」に含まれていた「二点シンニョウ」の文字は、すべて「一点シンニョウ」に表記が統一されたらしい。従って、「当用漢字」に含まれなかった「二点シンニョウ」文字は、二点のまま残っているという。
その後、世にワープロが出て、漢字は手書き文化から入力文化へと変化してきたが、その漢字フォントは、「常用漢字」とそれ以外と、忠実に表記が再現されている。
そんなことも知らないで、正確に手書きができなくとも、PCやスマホが勝手に漢字変換してくれることに甘えた生活を送っていると、シンニョウが一点なのか二点なのかなんかには気が付かないはずである。
漢字は「表意文字」であるという特徴の説明を、象形文字や甲骨文字との関連から説明してくれるページもとても興味深い。
例えば、先の「旅先で出会う漢字」の章では「旅」という文字が、「旗を持って旅に出る人=すなわち戦地へ行く人」を表現するためにできた文字であるという。それを知ると、軍隊の単位を「旅団」と呼ぶことともリンクしてくる。
こんな風に、漢字のからくりを知ることで、日常生活の中で新たな発見をしたり、歴史を知ったりするきっかけとなるということが分かった。
Posted by ブクログ
漢字の形や語源を知ることで、
視点が変わると感じました。
『習』ひな鳥が羽を動かして飛ぶ練習をする
深い解説もあり読むのに苦心した部分もあったのですが、漢字の形に向き合える良書と感じました