あらすじ
地球の2/3を占める海の底に広がる世界――海底。そこに穴を掘って暮らすのがゴカイやユムシ、シャコなどの底生生物だ。彼らは常に海底下に潜って隠れているうえ、多くは体が柔らかく、化石として残りにくいため、近年までその生態は謎につつまれてきた。そこで生痕、つまり「巣穴」を解析するアプローチで彼らの“隠された行動”を明らかにしてきたのが、産業技術総合研究所地質調査総合センターの清家研究員だ。サーフィンのごとく波乗りして移動する底生生物とは? 水深1000mを超える海底の巣穴に樹脂を流し込んで判明した事実とは? 東日本大震災前後で三陸沖海底の生態系に起きた激変とは? 世界初となる発見を重ね、文部科学大臣表彰・若手科学者賞を受賞した氏が驚くべき、そしてどこかユーモラスな底生生物の生態と海底の神秘を綴る。この世界は、彼らの巣穴で満ちている!
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Posted by ブクログ
巣穴の研究の様子がイメージがついていなかったが、樹脂を流したり、巣穴と生物を見て移動の方向や速度を調べたり、生物種や状況により様々な手法がとられているのがわかったし、自分がこれまで思っていた以上よりもベントスの巣穴が面白いなと感じるようになった。
Posted by ブクログ
オドロキの海底ワールド。
干潟だけでなく、深海も底生生物の巣穴だらけで
食物連鎖の循環に深い影響を与えている事実が
興味深い。
研究者は、クレバーなアタマももちろん
必要なんだろうけど、それを実現するための
道具作りも欠かせない。
巣穴の型取り、アナガッチンガーの話に考えさせられた。