あらすじ
井ノ頭恩賜公園の管理人として、チャイコフスキーとともに日常を送る男は、ある日、少年の死体と遭遇する。著者の初期長篇、復刊第2弾!
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Posted by ブクログ
都会の中の鬱蒼とした公園、昨日も訪れた、私には馴染みの井ノ頭公園が舞台。この公園がジクジクと膿む巨大なカサブタみたい。主人公の公園管理人は、この隆起して、街に侵食の幅を広げる、カサブタの膿の中の幼児に思える。インポテンツ。私とほぼ同い年。うわぁ。
公園管理人の「彼」にとって、井ノ頭公園全体は、幼い頃に通った「杜」と地続き。性が目覚め、そして父の縊死の果てを発見した、「杜」。この「杜」を「彼」は局部に飼うことになったのだろう。
終始、迸るような勢いの筆致に放心。鬼気迫る言葉に、心身が弄ばれた。取り扱い注意。