【感想・ネタバレ】なぞとき 宇宙と元素の歴史のレビュー

あらすじ

「私たちは星の子」――私たちの体や身のまわりのもの、そして金などの貴金属まで、さまざまな元素が誕生した宇宙ドラマを生き生きと語りおこす力作!
――村山斉氏(カリフォルニア大学バークレー校 教授)、絶賛!

万物を構成する元素は、宇宙がはじまったその瞬間には存在しなかった。宇宙の歴史の中でさまざまな元素が生まれ、物質が形づくられてきたことがわかっている。では、元素はいつ・どこで・どのようにしてつくられたのか? ヒントは夜空に輝く星(や、人の目には見えない天体)たちが握っている。

近年、星たちの〈メッセージ〉を見聞きする目と耳が急速に進化してきた。さまざまな波長の光をとらえ、重力波を検出することができるようになった(マルチメッセンジャー天文学が幕を開けた)。そして、星たちのメッセージを解釈する理論的研究も進んでいる。理論と観測が結びつき、驚くべき事実が明らかになる!

「私たちはみんな超新星爆発を経験した元素たちからできている、私たちの体内を流れる血液には白色矮星の爆発を経験した鉄がふくまれている、携帯電話の中にあるレアアースや指輪のプラチナは中性子星のかけらでできている――それぞれの生い立ちを想像するだけで、何もかもとても愛しいものに思えてくるのです」
(本書「おわりに」より)

【おもな内容】
第1章 宇宙も人間も同じ元素でできている
第2章 水素とヘリウムができるまで――138億年前のビッグバン
第3章 炭素と酸素ができるまで――星の中の核融合
第4章 鉄の仲間たちができるまで――超新星爆発がつくる元素
第5章 レアアース、金、プラチナができるまで――新しい主役! 中性子星合体
第6章 私たちの住む地球ができるまで――宇宙の化学進化から生命の星へ
第7章 中性子星合体が見つかるまで――星たちが奏でる重力波のメロディ
第8章 宇宙と元素の物語のこれから

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Posted by ブクログ

文系学生向けの教養授業のまとめ

やさしい語り口ながら順を追って元素の生成を解説。付録も充実。(周期表を色分けし、その元素の生成プロセスがどこかにあるかを示す)

●元素の歴史

水素とヘリウムができるまで→ビッグバン

炭素と酸素→星の中の核融合

鉄の仲間たち→超新星爆発

レアアース、金、プラチナ→中性子星合体


●ヒトの身体をつくる元素

私たちの体をつくる元素は多い方から酸素(65%)、炭素(18%)、水素(10%)、窒素(3%)、カルシウム(1.5%)、リン(1%)と並べられる。他の元素の占める割合はわずか1.5%に過ぎない。
いま挙げた元素のなかで、宇宙が始まったときに存在していたのは水素だけだ。
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2022年10月31日

Posted by ブクログ

宇宙の中で、各元素はどのようにして誕生したのかについて解説されています。
著者の和南城先生はまさに天文学の中の元素合成を専門としていらっしゃる方ですが、専門知識がなくとも読み進められるようにわかりやすく書かれています。
まだわからないこともある分野であり、同じく研究者である奥様と共に歩まれた道について書かれたあとがきには感動しました。

0
2021年01月15日

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