あらすじ
サイバー犯罪の裏側を徹底取材!
黒幕が明かす驚きの手口!
本書は3年にわたり、追跡した人々の物語だ。ネットの闇に潜み、隙あらば罪なき者を脅し、たぶらかし、カネ、命、平穏を奪わんとする捕食者たちの記録である。
後ろ暗いテーマであるだけに、当然、取材は難航した。それでも張本人を突き止めるまで国内外を訪ね歩き、取材交渉を重ねて面会にこぎつけた。
青年ハッカーは10代で悪事の限りを尽くし、英国人スパイは要人の殺害をはじめとする数々のサイバー作戦を成功させていた。老人から大金を巻き上げ続けた詐欺師、アマゾンにやらせの口コミを蔓延させている中国の黒幕、北朝鮮で“サイバー戦士”を育てた脱北者、プーチンの懐刀……。
取材活動が軌道に乗ると一癖も二癖もある者たちが暗闇から姿を現した。
本書では彼らの生態に迫る。ソフトバンクグループを率いる孫正義の立身出世物語、イノベーションの神様と評された米アップルの創業者スティーブ・ジョブズが駆け抜けた波瀾万丈の人生など、IT業界の華々しいサクセスストーリーがネットの正史だとすれば、これは秘史を紡ぎ出す作業だ。悪は善、嘘はまこと。世間の倫理観が通用しない、あべこべの地下世界に棲む、無名の者たちの懺悔である。
サイバー犯罪による経済損失はついに全世界で年間66兆円近くに達した。いつまでも無垢なままでいるわけにはいかない。
ネット社会の深淵へ、旅は始まる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ダークウェブに関係を持つ人々(捜査官・元犯罪者 etc...)に筆者がインタビューを行った記録を書籍にしたもの.インタビュイーは匿名のケースも多く,内容の信憑性は正直不明であるため読み物として楽しむのがいいか.
Posted by ブクログ
インタビューが中心でルポのように読みやすかった。サイバーといっても、ハッキング、スパイ、フェイクニュース拡散などテーマも広く、今いろいろ問題になっていることをさらっとおさらいできるような内容。
びっくりするようなことが書いてあるわけではないが、なるほど、という感じで面白く読んだ。
Posted by ブクログ
まあ、中身はそうだね、という、別に新味のある話ではないけど、これだけ纏めてあると読み応えはある。ネットの世界では、セキュリティの話は常に話題になってるけど、国家として、企業として、というレベルでは、日本は対応が取れてるとは思えない。国としての方針がしっかりと定まってないのが情けない。なにか起きたら、何も対応できないんだろうな。
Posted by ブクログ
世界で行われている、ネットを使った不正行為の一部を説明した本。あくまで概要レベルの内容になるが、知らないところでこんな不正行為が当たり前のように行われている事実を知り、正直怖いと思った。
大分昔に見た、ザインターネットや、ダイハード4、マイノリティーリポートなどのSF映画がそのまま現実になっている事実を知り、改めて恐ろしさと、SF映画の凄さを感じた。
なんかマトリクスが現実になりそうな気がして怖い。
あと日本にとって一番の脅威は、中国、北朝鮮ではなく、日本人自身という内容が、本当に一番腑に落ちた。
少しでもコンピューター、ネットワークリテラシーをつけて、自分で自分の首を絞めないよう対応していきたい。
Posted by ブクログ
ランサムウェアで稼ぐ10代のハッカー、やらせレビューで小売店・飲食店を翻弄する中国の黒幕、振り込め詐欺と同じエコシステムを活用するネット詐欺、密かにソフト開発を受託し情報を盗む北朝鮮、偽アカウント西側世論を操作するロシア、ウイルスでテロリストを掃討する英国…犬も歩けば棒に当たる。ネットを渡り歩けば思わぬ情報に行きつく。そして、その裏にはとんでもない罠が仕掛けられている。サイバー空間は新たな戦場。本書に描かれた2019年から、月日は流れた。脅威は速度を上げ、より巧妙に、より闇深くなっているのだろう。
Posted by ブクログ
ネット世界の暗部に切り込み、 周辺だけではなく実際に動いてる本人にも会って取材をした意欲作。
自らの欲望で私腹を肥やす者もいれば、属する国家の大義を背負い暗躍する者もいる
書籍は第一部が前者、第二部で後者を扱っている。秀逸なのは第ニ部で、 なかなか明らかにならない、国家ぐるみの暗部をえぐり出している。
ネットが必要不可欠となった現代社会において、すべからく全員が読むべき書籍である。